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和室の照明と雰囲気づくり|”低めの光”と”間接照明”で落ち着く空間にする

実施設計の教科書#61 和室の照明と雰囲気づくり― 落ち着く空間にする設計 いえのキホン
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実施設計の教科書 #61

寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。

SHEET — 和室の照明の要点S = 1:実施設計の教科書 61 / kobayan

結論:和室は、低めの光と間接照明で落ち着く空間になります。床に座る目線に合わせて、まぶしさを抑えることが大切です。

  • 床に座ると目線が低くなり、天井の照明が視界に入りやすい
  • 主照明は調光できるものを選び、明るさを場面で変える
  • 壁や床の間を照らす間接照明で、陰影のある落ち着いた空間に
  • 寝室として使うなら、寝転んだときに光源が目に入らない位置に
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和室は、光で印象が変わる

和室は、畳、木、土壁や塗り壁、障子と、光をやわらかく返す素材でできています。そのぶん、照明の当て方で雰囲気が大きく変わります。

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床に座ると、目線が低くなる

椅子に座るリビングと違い、和室では床に座ったり寝転んだりします。目線が低いぶん、天井の照明が視界に入りやすく、まぶしく感じやすいのです。

主照明の考え方

  • 調光できる照明を選ぶ:掃除や来客のときは明るく、くつろぎや就寝前は暗めに
  • 光源が直接見えにくい器具を選ぶ:和紙のシェードや、乳白のカバーなど
  • 和室の広さに合った明るさにする:明るすぎると落ち着かない

間接照明が鍵

和室の落ち着きは、陰影から生まれます。床の間や壁を下から照らす、天井の縁から光を反射させる、といった間接照明は、光源を見せずに、やわらかい明るさをつくります。

明るさにむらがある空間のほうが「くつろげる」と感じられやすいという照明の研究もあります(インテリア設計の教科書 #12)。日本の住まいが陰影を大切にしてきた理由とも重なります(#10 和モダン)。

照明役割和室での使い方
主照明部屋全体の明るさ調光できるシーリングや和紙のペンダント
間接照明陰影とくつろぎ床の間、壁、天井の縁を照らす
フロアスタンド・置き行灯低い位置の光床座の目線に合ったやわらかい光

寝室として使う場合

寝転んだとき、光源が真上に来ない位置に照明を配置しましょう。寝る前の明るい光は眠りを遅らせることもわかっています(#47 寝室照明)。

ダウンライトの落とし穴

和室にダウンライトを並べると、寝転んだときに光源が目に入りやすく、まぶしく感じます。和室にダウンライトを使うなら、壁際に寄せて、壁を照らすように配置するのがおすすめです。

「暗さ」を怖がらない

和室は、少し暗いくらいが落ち着く部屋です。部屋全体を均一に明るくするより、必要な場所だけを照らし、ほかは少し暗くしておくと、和室らしい静けさが生まれます。

素材と光の関係

  • 障子:昼は外の光を拡散し、夜は室内の光をやわらかく透かす
  • 塗り壁:光をしっとり吸い込み、陰影がやわらかい
  • 畳:光をやさしく返し、床に近い光と相性がいい

和室の照明をつくる5つのコツ

  1. 調光できる主照明を選ぶ
  2. 光源が見えにくい器具にする
  3. 間接照明を一つ入れる:床の間や壁を照らす
  4. 低い位置の光を足す:フロアスタンドや行灯
  5. 寝室として使うなら、枕の真上を避ける
👓 建築士のメモ

和室の照明は、立った目線で選ぶと、明るすぎたり、まぶしすぎたりしがちです。照明を決めるときは、畳に座ったり寝転んだりした目線で、天井や壁を見上げることを想像してみてください。

わかっていること、いないこと

テーマわかっていること注意点
陰影とくつろぎ明るさにむらがある空間は「くつろげる」と感じられやすい主に1970年代の印象評価の研究
夜の光と眠り寝る前の明るい光は、眠りを促すホルモンの分泌を遅らせる個人差がある
床座の目線床に座ると目線が低くなり、天井の照明が視界に入りやすい座り方や部屋の広さで変わる

和室の照明を決める前に確かめたい5つのこと

  • □ 主照明は、調光できるか
  • □ 光源が直接見えにくい器具か
  • □ 壁や床の間を照らす間接照明があるか
  • □ 低い位置の光(スタンドなど)を置く電源があるか
  • □ 寝室として使うとき、枕の真上に照明がないか

和室の照明のよくある質問(FAQ)

Q. 和室に合う照明の色は?

電球色がよく使われますが、快適さには色より明るさの影響が大きいとされます。まずは調光で暗くできることを優先しましょう。

Q. 和風の照明器具でないといけませんか?

そんなことはありません。シンプルな照明でも、光源が見えにくく、やわらかい光であれば和室によくなじみます。

Q. 床の間がない和室でも、間接照明はつくれますか?

壁の一面を下から照らすスタンドや、天井の縁から光を反射させる照明で、同じような効果が得られます。

まとめ|和室は、低めの光で落ち着く

  • 床座の和室は、天井の照明がまぶしく感じやすい
  • 調光できる主照明と、光源が見えにくい器具を選ぶ
  • 間接照明と低い位置の光で、陰影をつくる
  • 暗さを怖がらず、必要な場所だけを照らす

和室は、光と影のバランスで、静かで落ち着く空間になります。座った目線で、光の位置と明るさを考えてみてください。

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この記事を書いた人|メガネ建築士(一級建築士・ハウスメーカー設計士/150棟以上の住宅設計)
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