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和室の建具と間仕切りの正解は?|”開けたとき”と”閉じたとき”の両方を設計する

実施設計の教科書#59 和室の建具と間仕切りの正解は?― 引き戸・開放・閉じるのバランス いえのキホン
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実施設計の教科書 #59

寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。

SHEET — 和室の建具の要点S = 1:実施設計の教科書 59 / kobayan

結論:和室の建具は、開けたときにLDKとひと続きになり、閉じたときに個室として落ち着けることが大切です。引き込み戸で全開にできる形が理想です。

  • 引き込み戸は、壁の中に扉をしまい、開口を全開にできる
  • 引き違い戸は、常に半分ほどが扉でふさがる
  • 建具を引き込むには、扉と同じ幅の壁が必要
  • 閉じたときの音・光・視線の遮り方も考える
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和室は、建具で完成する

リビング横の和室は、普段は開けてリビングの延長に、来客のときは閉じて客間に、と使い分けます。その使い分けを決めるのが建具です。

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引き戸と開き戸

和室の建具は、ほとんどの場合引き戸が向いています。開き戸は、扉が開く範囲に物が置けず、開口も狭くなりがちです。

引き込み戸と引き違い戸

建具の種類開けたとき必要な条件
引き込み戸扉が壁の中や横に隠れ、開口を全開にできる扉と同じ幅の壁(または引き込むスペース)
引き違い戸2枚が重なり、開口の約半分がふさがる特になし
4枚引き違い開口の約半分が開く広い開口
アウトセット引き戸壁の外側に扉が出る。後付けしやすい扉が動く分の壁

LDKとひと続きに使いたいなら、引き込み戸がおすすめです。

枚数の考え方

開口が広いほど、建具の枚数も増えます。たとえば幅1800mmの開口を全開にするなら、900mmの扉2枚を両側に引き込む方法などがあります。引き込む先の壁が足りるかを、図面で確かめましょう。

開けたときの設計

  • リビングの床と和室の床の段差(小上がりにするか、フラットにするか)
  • 床の素材の違い(フローリングと畳)の見え方
  • 天井の高さや仕上げのつながり

閉じたときの設計

  • 音:建具は壁より音が伝わりやすい。客間として使うなら気になることも
  • 光:すき間からリビングの光が入ると、寝室として使いにくい
  • 視線:すりガラスや障子風の建具は、光は通すが視線をやわらげる

建具をしまうスペース

引き込み戸を全開にするには、扉の幅と同じだけの壁の長さが必要です。その壁には、窓やスイッチ、コンセントを付けられないこともあるので、間取りの段階で確かめておきましょう。

素材の選び方

素材特徴
無地の板戸すっきり。リビングとなじむ
障子風(樹脂和紙など)光をやわらかく通す。和の雰囲気
すりガラス入り光を通し、閉じても明るい
格子すき間から気配が感じられる

和室の建具を決める5つのコツ

  1. 引き込み戸で全開にできるか確かめる
  2. 引き込む先の壁の長さを確保する
  3. 床の段差と素材のつながりを考える
  4. 閉じたときの音・光・視線を考える
  5. リビングの雰囲気に合う素材を選ぶ
👓 建築士のメモ

和室の建具は、「閉じたときの姿」だけで選ばれることが多いのですが、実際には開けている時間のほうが長い家庭がほとんどです。開けたとき、リビングとどうつながって見えるかを、図面と一緒に確かめてみてください。

わかっていること、いないこと

テーマわかっていること注意点
引き込み戸開口を全開にでき、LDKとひと続きに使える引き込む壁が必要で、壁の使い方が限られる
建具と音建具は壁より音が伝わりやすい建具の重さや気密性で、伝わり方は変わる
素材と光すりガラスや障子風の建具は、光を通しながら視線をやわらげる夜は、照明の光が反対側に透けることもある

和室の建具を決める前に確かめたい5つのこと

  • □ 建具を全開にして、LDKとひと続きにできるか
  • □ 引き込む先の壁の長さがあるか
  • □ 床の段差と素材のつながりを考えたか
  • □ 閉じたとき、音や光が気にならないか
  • □ 建具の素材が、リビングとなじむか

和室の建具のよくある質問(FAQ)

Q. 建具なしのオープンな和室はどうですか?

LDKとのつながりは最もよくなりますが、客間や寝室として閉じることはできません。将来の使い方も考えて決めましょう。

Q. ロールスクリーンで仕切るのはどうですか?

費用を抑えて、視線を遮ることはできます。音や光はほとんど遮れないので、客間や寝室として使う場合は向いていません。

Q. 小上がりの和室にするメリットは?

床に段差があるので、腰かけやすく、段差の下を引き出し収納にできます。小さな子どもや高齢の家族には、段差がつまずきの原因になることもあります。

まとめ|建具で、和室の使い方が決まる

  • 和室の建具は、引き込み戸で全開にできる形が理想
  • 引き込む先の壁の長さを確保する
  • 開けたときのつながりと、閉じたときの音・光・視線の両方を考える
  • 素材で、和室とリビングの雰囲気がなじむ

和室は、建具を開けたときと閉じたとき、両方の姿を設計することで、毎日使える部屋になります。

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