寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。
結論:収納の量は、延床面積の10〜15%を目安にします。ただ、本当に大切なのは、量より何を、どこに、どれだけしまうかの内訳です。
- 収納率は、収納の床面積÷延床面積で計算する
- 戸建てでは10〜15%を目安にする考え方が広く使われている
- たとえば延床120㎡なら、12〜18㎡(約7〜11畳)
- 衣類・日用品・季節の物・外で使う物の内訳で考える
「収納が足りない家」は、なぜ起きる?
家づくりの後悔で、よく挙がるのが「収納が足りない」です。でも、収納の量を増やしても、使う場所から遠い、奥行きが合わない、ということで「足りない」と感じることもあります。
この記事では、収納の量の目安と、内訳の考え方を整理します。
収納率という考え方
収納の量は、「収納率」で考えることができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計算方法 | 収納の床面積 ÷ 延床面積 × 100(%) |
| 目安 | 戸建てでは10〜15%程度とする考え方が広く使われている |
| 含めるもの | クローゼット、押入れ、納戸、パントリー、玄関収納など(数え方は会社によって違う) |
収納率には、法律などの決まった定義はありません。住宅会社によって、何を収納に含めるかも違うので、比べるときは数え方をそろえることが大切です。
延床面積ごとの目安
| 延床面積 | 収納10% | 収納15% |
|---|---|---|
| 100㎡(約30坪) | 10㎡(約6畳) | 15㎡(約9畳) |
| 120㎡(約36坪) | 12㎡(約7.4畳) | 18㎡(約11畳) |
| 140㎡(約42坪) | 14㎡(約8.6畳) | 21㎡(約13畳) |
小さい家ほど、収納は大切
家が小さくなっても、家族の持ち物はそれほど減りません。延床面積が小さい家ほど、収納の割合を少し多めにとっておかないと、部屋に物があふれやすくなります。
収納の内訳を考える
| しまう物 | 主な場所 |
|---|---|
| 衣類 | 寝室のクローゼット、ファミリークローゼット(#65) |
| 日用品のストック | パントリー、洗面所の収納 |
| 季節の物(ひな人形、扇風機、ヒーター) | 納戸、屋根裏(#64) |
| 布団 | 押入れ(#66) |
| 外で使う物(ベビーカー、アウトドア用品) | 玄関の土間収納、外部の物置 |
| 掃除道具 | 使う場所の近くの小さな収納 |
同じ収納の量でも、内訳のバランスが悪いと、ある場所は物があふれ、ある場所はがらがら、ということになります。
よくある失敗
収納の量を決める5つのステップ
- 今の持ち物を書き出す:衣類、日用品、季節の物、外の物
- 延床面積の10〜15%を目安に、全体量を決める
- 内訳を決める:何をどこにしまうか
- 使う場所の近くに配置する
- 将来増える物も考える:子どもの物、趣味の物
収納は、「量」の話になりがちですが、実際の暮らしやすさを決めるのは「どこに、何を」です。今の家で、どこに何がしまってあるか、どこで困っているかを書き出してから、新しい家の収納を考えてみてください。
わかっていること、いないこと
| テーマ | わかっていること | 注意点 |
|---|---|---|
| 収納率の目安 | 戸建てでは10〜15%程度とする考え方が広く使われている | 法的な定義はなく、数え方は会社によって違う |
| 小さい家と収納 | 家が小さくても持ち物はあまり減らないので、収納の割合は大切 | 暮らし方や持ち物の量で必要な量は変わる |
| 内訳 | 使う場所の近くに必要な量があることが、片付けやすさにつながる | 家族の生活スタイルで最適な配分は違う |
収納の量を決める前に確かめたい5つのこと
- □ 収納率を計算したか(数え方をそろえて)
- □ 今の持ち物の量を把握したか
- □ 衣類・日用品・季節の物・外の物の内訳を決めたか
- □ 使う場所の近くに、収納があるか
- □ 将来増える物も考えたか
収納の量のよくある質問(FAQ)
Q. 収納率は高ければ高いほどいいですか?
収納を増やすと、そのぶん部屋が狭くなります。物の量に見合った収納を、使う場所の近くにつくるほうが大切です。
Q. 屋根裏収納は収納率に含めますか?
会社によって違います。屋根裏収納は、季節の物など出し入れの少ない物には便利ですが、毎日使う物には向いていません。
Q. 収納を減らして、物を減らすのはどうですか?
物を減らす暮らしもすてきです。ただ、子どもの成長や趣味で物は増えることもあるので、少しの余裕は残しておくと安心です。
まとめ|収納は、量と内訳で考える
- 収納率は、収納の床面積÷延床面積で計算する
- 戸建てでは10〜15%を目安に
- 小さい家ほど、収納の割合は大切
- 量だけでなく、何をどこにしまうかの内訳で考える
収納が足りるかどうかは、量と、置き場所と、中身の配分で決まります。今の持ち物を見直すところから、収納計画を始めてみてください。
おすすめ|収納計画は第三者目線が効く
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シリーズの前の回。和室の照明と雰囲気づくりです。

シリーズの次の回。収納はどこに配置するのが正解?という話です。

ライフスタイルの教科書。収納は量より位置、という話です。



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