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納戸の広さと寸法は何mm必要?|”内側2000mm・壁の中心で2250mm”が分岐点

実施設計の教科書#64 納戸の広さと寸法は何mm必要?― 2250mmが分岐点 いえのキホン
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実施設計の教科書 #64

寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。

SHEET — 納戸の寸法の要点S = 1:実施設計の教科書 64 / kobayan

結論:納戸は、棚の奥行き+通路800mmの足し算で幅を決めます。両側にハンガーや深い棚を置くなら、内側2000mm(壁の中心で約2250mm)が分岐点です。

  • 人が入って物を出し入れする通路は800mmあると使いやすい
  • 棚の奥行きは、小物なら約450mm、衣類のハンガーなら約600mm
  • 両側にハンガー:600+800+600=内側2000mm。壁の厚みを含めると約2250mm
  • 奥行きが深すぎる棚は、奥の物が取り出せなくなる

納戸は、広さより「寸法」で失敗する

「納戸を3畳ほしい」という希望はよく聞きます。でも、3畳の納戸でも、形と寸法によっては、中で動けず、奥の物が取り出せないこともあります。

納戸の幅の計算

収納のしかた計算(内側の寸法)壁の中心の寸法の目安
片側だけに棚(奥行450mm)450+通路800=1250mm約1500mm
両側に棚(奥行450mm)450+800+450=1700mm約1950mm
片側ハンガー(600mm)+片側棚(450mm)600+800+450=1850mm約2100mm
両側にハンガー(600mm)600+800+600=2000mm約2250mm

図面の寸法は、壁の中心からの寸法(芯々)で書かれていることが多く、内側の寸法は壁の厚みの分だけ小さくなります。内側の寸法で計算することが大切です。

「2000mmの落とし穴」

壁の中心で2000mmの納戸は、内側では1750mm前後になることがあります。この幅で両側にハンガーを掛けると、通路は550mmほどしか残らず、中に入るのも窮屈です。両側にハンガーを掛けるなら、壁の中心で約2250mmを目安にしましょう。

通路800mmの意味

通路600mmでも通ることはできますが、箱を抱えて入る、しゃがんで下の段の物を取る、振り返って反対側の棚を見る、といった動作には800mmほどあると楽です。

棚の奥行きの考え方

しまう物棚の奥行きの目安
本、小物、日用品のストック約300〜450mm
衣類(ハンガー)約600mm
収納ケース、季節家電約450〜600mm(ケースの大きさに合わせる)
布団押入れの奥行き(#66)

棚の奥行きを深くしすぎると、手前の物で奥が見えなくなり、奥の物が死蔵品になりがちです。

出入口の考え方

  • 出入口の正面に、通路が続くように
  • 扉は、引き戸か外開きに。内開きは中の棚とぶつかる
  • 照明のスイッチは、入口の外か入ってすぐの位置に(#67)

動線と納戸の関係

季節の物やストックをしまう納戸は、使う場所や、出し入れする動線の近くにあると便利です。たとえば、キッチンの近くなら食品や日用品のストック、玄関の近くならアウトドア用品や季節の物、といった置き方です(#63)。

よくある失敗

  • 畳数はあるのに、幅が狭くて通路がとれない
  • 奥行きの深い棚で、奥の物が取り出せない
  • 換気がなく、湿気でカビが出る
  • 照明がなく、奥が暗い

納戸を決める5つのステップ

  1. しまう物を決める:衣類、ストック、季節の物
  2. 棚の奥行きを決める
  3. 通路800mmを足して、内側の幅を計算する
  4. 壁の厚みを含めた図面の寸法を確かめる
  5. 出入口・照明・換気を計画する
建築士のメモ

納戸は、図面で「3畳」「4畳」と書かれていると、広く感じます。でも、細長い形か正方形か、壁の中心の寸法か内側の寸法かで、使い勝手は大きく変わります。棚の奥行きと通路を足し算して、内側の寸法で確かめてみてください。

わかっていること、いないこと

テーマわかっていること注意点
通路800mm物を持って入る、しゃがむなどの動作に余裕がある幅として、設計の実務で使われる目安体格やしまう物で変わる
壁の中心と内側の寸法図面の芯々寸法から、壁の厚みの分だけ内側の寸法は小さくなる壁の厚みは構造や仕上げで違う
棚の奥行き奥行きが深すぎると奥の物が取り出しにくいしまう物の大きさで適切な奥行きは変わる

納戸を決める前に確かめたい5つのこと

  • □ しまう物と、棚の奥行きを決めたか
  • □ 通路800mmが確保できるか
  • □ 内側の寸法で計算したか
  • □ 扉が中の棚とぶつからないか
  • □ 照明と換気を計画したか

納戸のよくある質問(FAQ)

Q. 納戸とウォークインクローゼットは何が違いますか?

法律上の扱いでは、窓がなく採光の基準を満たさない部屋を「納戸」と表示することが多いです。使い方としては、衣類をしまうならWIC、いろいろな物をしまうなら納戸、と呼び分けることが多いようです。

Q. 納戸に窓は必要ですか?

窓があると換気と明るさがとれますが、日差しで物が傷むこともあります。換気扇と照明で対応する方法もあります。

Q. 可動棚にしたほうがいいですか?

しまう物は年々変わるので、棚の高さを変えられる可動棚がおすすめです。

まとめ|納戸は、寸法の足し算で決める

  • 納戸の幅は、棚の奥行き+通路800mmで決める
  • 両側にハンガーなら、内側2000mm(壁の中心で約2250mm)
  • 奥行きの深すぎる棚は、奥の物が取り出せない
  • 出入口・照明・換気まで計画する

納戸は、中に入って物を出し入れする自分の動きを想像すると、ちょうどいい寸法が見えてきます。畳数ではなく、mmで確かめてみてください。

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この記事を書いた人|メガネ建築士(一級建築士・ハウスメーカー設計士/150棟以上の住宅設計)
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