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玄関まわりの実施設計 完全ガイド|玄関幅・玄関ホール・土間収納・ベンチ・帰宅動線を寸法で決める

実施設計の教科書 #01 玄関の広さは1500mmで足りる?― 「最低寸法」と「気持ちいい寸法」は違う いえのキホン
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実施設計の教科書 #01|玄関まわり 完全ガイド

寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。

SHEET — 玄関まわりの要点S = 1:実施設計の教科書 / kobayan

結論:玄関の幅1500mmは「成立寸法」であって、快適寸法ではありません。家族の人数、荷物、ベビーカー、来客まで考えると、1800mm以上がひとつの目安です。

  • 玄関幅1500mmは最低限、1800mm以上で家族が同時に出入りしやすい
  • 玄関ホールは有効900〜1500mm。来客を迎えるなら1200mm以上
  • 土間収納は奥行900mmが成立寸法、歩いて使うなら1200mm
  • 玄関→手洗い→収納を一直線にすると、帰宅後の動きが短くなる
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なんとなく”1500mm”で決めていませんか?

玄関の幅は、図面では1500mm前後で描かれることが多いものです。1人で出入りするなら十分ですが、家族が同時に帰ってきたとき、ベビーカーや大きな荷物があるとき、来客を迎えるときには、窮屈に感じることがあります。

この記事では、玄関の幅、玄関ホール、土間収納、ベンチ、帰宅動線まで、玄関まわりの寸法をまとめて整理します。玄関ドアの向きは#02 玄関ドアの吊元、ポーチは#04 ポーチ幅で詳しく書いています。

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玄関の幅:1500mmは「成立寸法」、1800mm以上で快適

図面の寸法は、壁の中心からの寸法(芯々)であることが多く、実際に使える内側の幅は、壁の厚みの分だけ小さくなります。芯々1500mmの玄関なら、内側は約1400mmです。

玄関の幅(芯々)内側の幅の目安使い心地
約1500mm約1400mm1人なら問題ない。2人同時や荷物があると窮屈(成立寸法)
約1800mm約1700mm2人が並んで靴を脱げる。ベビーカーも置きやすい(快適)
約2000mm以上約1900mm以上ベンチや土間収納の入口もゆったり

なぜ1500mmでは足りなくなるのか

  • 大人の肩幅は約450〜500mm。2人並ぶと、それだけで約1000mm
  • 靴を脱ぐときは、かがんだり片足立ちになったりして、横に広がる
  • ベビーカーや買い物袋、ランドセルなど、荷物が加わる
  • 玄関ドアを開ける扉の動きや、靴箱の扉も重なる

玄関ホール:900mmは1人、すれ違うなら1200mm以上

ホールの巾体感
約900mm1人なら通れる
約1200mm来客を迎えながら家族が通れる
約1500mmゆとり。車いすの回転にも対応しやすい

くわしくは#05 玄関ホールの巾は何mm?で解説しています。

玄関ホールの巾は何mm?|900mmは"1人で通る"寸法、すれ違うなら1200mm以上
玄関ホールの巾は、とりあえず900mmにされがちですが、それは1人で通る廊下の寸法です。玄関ホールでは、来客を迎える、靴を履く、家族とすれ違うといった動作が重なります。人の通行寸法、巾別の体感まで一級建築士が解説します。

土間収納:奥行900mmは成立寸法、歩くなら1200mm

靴の棚約350mm+人が歩く通路約600mmで、900mmはぎりぎり。中を物を持って歩いたり、ベビーカーを置いたりするなら1200mm以上あると安心です。

くわしくは#03 土間収納の奥行900mmは本当に正解?で解説しています。

土間収納の奥行900mmは本当に正解?|"歩ける収納"は1200mmから
土間収納(シューズクローク)は、奥行900mmで計画されることが多いですが、中を歩いて使うには窮屈なことがあります。棚の奥行きと人が歩く幅を足すと、歩ける収納は1200mmから。ベビーカー、靴の量、奥行き別の使い心地まで一級建築士が解説します。

玄関ベンチ:幅1200・高さ400・奥行350mm

2人が並んで座れる幅1200mm、立ち上がりやすい高さ400mm、通路をふさがない奥行350mmが基本です。ベンチの前には足を出すスペースを。

くわしくは#06 玄関ベンチの寸法は?で解説しています。

玄関ベンチの寸法は?|"幅1200・高さ400・奥行350mm"が基本になる理由
玄関にベンチがあると、腰かけて靴を履けて、荷物も置けて、毎日の出入りが楽になります。基本の寸法は幅1200mm・高さ400mm・奥行350mm。その根拠と、高齢の家族や子どもへの配慮、置く場所の考え方を一級建築士が解説します。

帰宅動線:玄関→手洗い→収納を一直線に

玄関は収納量より帰宅動線で決めます。靴を脱ぐ→手を洗う→上着・かばんを置く→リビング、の順に場所が並ぶと、帰宅後が楽になり、物も散らかりにくくなります。

くわしくは帰宅が楽になる玄関とは?で解説しています。

帰宅が楽になる玄関とは?|玄関は"収納量"より"帰宅動線"で決める
帰ってきてから、靴を脱ぎ、手を洗い、上着やかばんを置き、リビングに入る。この流れが遠回りだと、玄関で疲れが増え、リビングに物が散らかります。玄関は収納量より帰宅動線で決めるという考え方と、帰宅後が楽になる7つのポイントを一級建築士が解説します。

最低寸法と快適寸法

場所最低寸法快適寸法
玄関の幅(芯々)約1500mm約1800mm以上
玄関ホール(有効)約900mm約1200〜1500mm
土間収納の奥行き約600mm(棚のみ)約1200mm以上(歩いて使える)
ベンチの幅約600mm(1人)約1200mm(2人)
👓 建築士のメモ

玄関は、家の面積の中では小さな場所ですが、家族全員が毎日何度も通る場所です。間取りの打ち合わせでは、平日の朝に家族が一斉に出かける場面と、夕方に買い物袋を持って帰ってくる場面を、図面の上でたどってみてください。

わかっていること、いないこと

テーマわかっていること注意点
芯々と内側の寸法図面の芯々寸法から、壁の厚みの分だけ内側の幅は小さくなる壁の厚みは構造や仕上げで違う
車いすの回転直径約1500mmが回転の目安とされる車いすの種類で変わる
快適寸法1800mm以上で家族が同時に出入りしやすいというのは設計の実務での目安家族の人数や荷物の量で変わる

玄関まわりを決める前に確かめたい5つのこと

  • □ 玄関の幅を、内側の寸法で確かめたか
  • □ 家族が同時に出入りする場面を想像したか
  • □ 土間収納に、中に入って使える奥行きがあるか
  • □ ベンチを置く場所と、その前のスペースがあるか
  • □ 玄関→手洗い→収納の流れが一直線か

玄関まわりのよくある質問(FAQ)

Q. 玄関は何畳あればいいですか?

土間とホールを合わせて2〜3畳ほどが一般的ですが、畳数より、幅と奥行きをmmで確かめるのがおすすめです。

Q. 土間収納は必要ですか?

ベビーカー、アウトドア用品、子どもの外遊びの道具が多い家庭では、とても役立ちます。物が少なければ、靴箱だけでも足りることもあります。

Q. 玄関に手洗いをつくるのはどうですか?

帰宅後すぐに手を洗えて、来客にも使いやすくなります。洗面所が玄関の近くにあれば、そちらで代わりにする方法もあります。

まとめ|玄関は、家族の動きから寸法を決める

  • 玄関幅1500mmは成立寸法。1800mm以上で快適
  • 玄関ホールは有効900〜1500mm
  • 土間収納は奥行900mmで中に入って使える
  • ベンチは幅1200mm前後、高さ400〜450mm
  • 玄関→手洗い→収納を一直線に

玄関は、家族を送り出し、迎える場所です。毎日の出入りの動きから、ちょうどいい寸法を決めてみてください。

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この記事を書いた人|メガネ建築士(一級建築士・ハウスメーカー設計士/150棟以上の住宅設計)
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