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ポーチ幅1200mmは足りる?|”濡れない玄関”は、傘と屋根の寸法で決まる

実施設計の教科書 #04 ポーチ幅1200mmは足りる?― “濡れない玄関”の設計条件 いえのキホン
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実施設計の教科書 #04

寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。

SHEET — 玄関ポーチの要点S = 1:実施設計の教科書 04 / kobayan

結論:ポーチの幅は、1200mmが最低限、1500mm以上で快適です。そして、濡れない玄関には、ポーチの広さと同じくらい屋根の出が大切です。

  • 長い傘を開くと、直径は約1000〜1100mm
  • 1200mmのポーチでは、傘を閉じながら扉を開けると窮屈
  • 1500mm以上あると、傘を閉じる・子どもを抱えるなどの動作に余裕
  • 雨は斜めに降るので、屋根の出(庇)は深いほど扉まわりが濡れにくい
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とりあえず1200mmにしていませんか?

玄関ポーチ(玄関ドアの外側の床)の幅は、1200mm前後で設計されることが多いものです。晴れた日は問題ありませんが、雨の日に、その狭さに気づくことがあります。

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傘の大きさを甘く見ない

一般的な長い傘は、開くと直径が約1000〜1100mmになります。ポーチの屋根の下で、傘を閉じ、しずくを払い、扉を開ける。この一連の動作には、傘の大きさに加えて、体を動かす余裕が必要です。

ポーチ幅別の体感

ポーチの幅雨の日の体感
約900mm傘を閉じきる前に、扉の前に立つことになる
約1200mm1人なら出入りできるが、傘を閉じながら扉を開けると窮屈(最低限)
約1500mm傘を閉じる、荷物を置く、子どもを抱えるなどの動作に余裕(快適)
約1800mm以上家族が同時に出入りできる。ベビーカーや自転車も置きやすい

抱っこ+傘問題

子どもを抱っこしながら傘をさして帰ってきたとき、ポーチが狭いと、傘を閉じる、鍵を開ける、扉を押さえる、という動作を同時にしなければならず、子どもも自分も濡れてしまいます。子育て期には、ポーチの広さの差がはっきり出ます。

「濡れない玄関」の条件

  • ポーチの幅:1500mm以上あると動作に余裕
  • 屋根の出(庇)の深さ:雨は斜めに降るので、深いほど扉まわりが濡れにくい
  • 扉の開く向き:開いた扉が雨よけになる向きか(#02 玄関ドアの吊元)
  • 床の素材:濡れても滑りにくいタイル

ポーチの床を広くしても、屋根の出が浅いと、雨の日は結局濡れてしまいます。床と屋根をセットで考えましょう。

自転車やベビーカーの場合

ポーチに自転車やベビーカーを置く、玄関から出し入れする家庭では、さらに広さが必要です。置き場所を玄関の外にするか、土間収納にするかもあわせて考えましょう(玄関まわり完全ガイドの土間収納)。

よくある失敗

  • ポーチは広いのに、屋根の出が浅くて濡れる
  • 傘を閉じる場所がなく、玄関の中に水が入る
  • 扉を開けると、ポーチの幅いっぱいになって人が立てない
  • 雨の日にタイルが滑る

ポーチを決める5つのステップ

  1. 幅を1500mm以上にできるか確かめる
  2. 屋根の出を深くする
  3. 扉の開く向きを確かめる(#02 玄関ドアの吊元)
  4. 滑りにくい床を選ぶ
  5. 自転車・ベビーカーの置き場所を決める
👓 建築士のメモ

玄関ポーチは、外観の印象を決める場所でもありますが、毎日の使いやすさは「雨の日」に決まります。傘をさして、荷物を持って、玄関の前に立ったときのことを想像して、ポーチの幅と屋根の深さを決めてみてください。アプローチ全体の考え方は、敷地設計の教科書 #04でも書いています。

わかっていること、いないこと

テーマわかっていること注意点
傘の大きさ一般的な長い傘は、開くと直径約1000〜1100mm傘の種類で大きく違う
ポーチの幅1200mmは最低限、1500mm以上で快適というのは設計の実務で広く使われる目安家族構成や使い方で変わる
屋根の出と雨屋根の出が深いほど、扉まわりは濡れにくい風の強さや向きで、雨の吹き込みは変わる

ポーチを決める前に確かめたい5つのこと

  • □ ポーチの幅は1500mm以上あるか
  • □ 屋根の出は、扉まわりを雨から守れる深さか
  • □ 扉を開けても、人が立つ余裕があるか
  • □ 床は、濡れても滑りにくい素材か
  • □ 自転車やベビーカーの置き場所を決めたか

ポーチ幅のよくある質問(FAQ)

Q. ポーチを広くすると、費用は上がりますか?

床の面積と屋根の面積が増えるぶん、費用は上がります。ただ、毎日の使いやすさへの効果は大きいので、優先度は高いと思います。

Q. 屋根の出は、どれくらいあればいいですか?

地域の雨や風によって違いますが、扉の前に立つ人が濡れにくい深さを目安にしましょう。袖壁(横の壁)を付けると、横からの吹き込みも防げます。

Q. ポーチに段差は必要ですか?

雨水が玄関に入らないように、ポーチと玄関の土間には小さな段差をつけることが多いです。将来の車いすを考えるなら、段差を小さくする工夫も検討しましょう。

まとめ|濡れない玄関は、幅と屋根で決まる

  • ポーチの幅は、1200mmが最低限、1500mm以上で快適
  • 長い傘は開くと直径約1000〜1100mm
  • 屋根の出(庇)を深くすると、扉まわりが濡れにくい
  • 扉の向き、床の素材、置き場所も一緒に考える

ポーチは、雨の日に家族を迎える場所です。晴れの日の図面だけでなく、雨の日の動きから寸法を決めてみてください。

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この記事を書いた人|メガネ建築士(一級建築士・ハウスメーカー設計士/150棟以上の住宅設計)
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