寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。
結論:和室は、LDKの横に置き、建具で開けたり閉じたりできる形が基本です。普段使う場所の近くにある和室ほど、よく使われます。
- LDK横の和室は、普段はリビングの延長、必要なときは個室になる
- 建具は引き込み戸で全開にできると、LDKとひと続きに使える
- 独立和室は、客間・仏間・親の寝室など、用途がはっきりしている家に向く
- トイレ・洗面への動線も、客間や寝室として使うなら大切
和室は、「場所」で価値が変わる
せっかくつくった和室が、ほとんど使われず物置になっている、という家は少なくありません。その多くは、普段過ごす場所から離れた位置に和室がある家です。
LDK横の和室のメリット
- 普段は扉を開けて、リビングの延長として使える
- 子どもの昼寝や遊び場として、キッチンから見守れる(ライフスタイル #01)
- 洗濯物をたたむ、アイロンをかけるなど、家事の場所にもなる
- 来客のときは、扉を閉めて客間に
建具の考え方が、とても大切
LDK横の和室の使いやすさは、建具(扉)で決まります。
| 建具 | 開けたとき | 閉じたとき |
|---|---|---|
| 引き込み戸(壁の中に引き込む) | 全開になり、LDKとひと続き | 個室としてしっかり閉じられる |
| 引き違い戸 | 半分しか開かない | 閉じられる |
| 開き戸 | 開口が狭い | 閉じられる |
| 建具なし(オープン) | 常にひと続き | 閉じられない。客間や寝室には使いにくい |
くわしくは#59 和室の建具と間仕切りで書いています。
独立和室の特徴
LDKから離れた独立和室は、普段の生活からは切り離されますが、静かで、プライバシーを守りやすいという良さがあります。
独立和室が向いているケース
- 親がよく泊まりに来る、将来同居の可能性がある
- 仏壇を置く仏間として使う
- 在宅ワークや、趣味の部屋として静かに使いたい
- 来客が多く、LDKを見せずに通したい
動線との関係
客間や寝室として使う和室は、トイレや洗面への動線も大切です。泊まったお客さんや、将来の親の寝室として使う場合、夜中にリビングを通らずにトイレに行けると、お互いに気を使いません(ライフスタイル #12)。
「使われる和室」の条件
- 普段過ごす場所の近くにある
- 建具で開けたり閉じたりできる
- 用途がはっきりしている(#58)
- 収納がある:布団や季節の物
- トイレへの動線が短い
和室の配置を決めるときは、「この和室で、平日の昼間に誰が何をしているか」を想像してみてください。具体的な場面が思い浮かばないなら、LDKの横に置いて、普段から使える形にしておくのがおすすめです。
わかっていること、いないこと
| テーマ | わかっていること | 注意点 |
|---|---|---|
| LDK横和室の使われ方 | 普段の生活に近い位置の和室ほど使われやすい、というのは設計の実務で広く知られている | 家族の暮らし方で違う |
| 引き込み戸 | 全開にでき、LDKとひと続きに使える | 引き込むための壁が必要 |
| 独立和室 | 静かでプライバシーを守りやすい | 普段使いの頻度は下がりやすい |
和室の配置を決める前に確かめたい5つのこと
- □ 和室で、平日に誰が何をするか想像できるか
- □ LDKの横に置けるか
- □ 建具で全開にも、閉じることもできるか
- □ 客間や寝室として、トイレへの動線が短いか
- □ 布団や季節の物をしまう収納があるか
和室の配置のよくある質問(FAQ)
Q. リビング横の和室だと、客間として気を使いませんか?
建具でしっかり閉じられれば、客間として使えます。ただ、音は伝わりやすいので、泊まりの来客が多い家は、独立和室も検討しましょう。
Q. 2階に和室をつくるのはどうですか?
寝室として使うならよいですが、普段使いや客間には、1階のほうが使いやすいことが多いです。
Q. 和室の窓はどうすればいいですか?
障子や、光を拡散する窓まわりにすると、和室らしいやわらかい光になります(インテリア設計の教科書 #10)。
まとめ|和室は、使う場所の近くに
- 和室は、LDKの横に置いて、普段使いと客間を兼ねるのが基本
- 建具は引き込み戸で、全開にも閉じることもできる形に
- 用途がはっきりしているなら、独立和室も選択肢
- 客間や寝室として使うなら、トイレへの動線も確かめる
和室は、置く場所で、使われる部屋にも、使われない部屋にもなります。普段の暮らしの中で、どう使うかを思い浮かべて配置を決めてみてください。
おすすめ|和室計画は第三者目線が効く
📐 一級建築士・こばやんより
家づくりで後悔した、という声の多くは、間取りが確定する前に、一度も専門家と話せなかったことが原因です。
工事前なら、まだ間に合います。
▶ 建築士がすすめる、後悔しない第一歩
タウンライフ家づくり
― 営業なし・完全無料で、間取りを整理できる場所 ―
「間取りの後悔って、工事前なら防げることが多いです。
比較せずに決めるのが、一番危ない。」
― こばやん(一級建築士)
※ 完全無料・しつこい営業なし・いつでも退会OK
※ 本リンクはアフィリエイト広告を含みます
次に読む
シリーズの前の回。和室は何畳必要?という話です。

シリーズの次の回。和室の使い方はどう考える?という話です。

和室の建具と間仕切りの正解は?の回です。



コメント