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インテリアとは、”暮らしを翻訳すること”|”好き”を、空間に変えていく話(最終回)

インテリア設計の教科書 #18(最終回)「インテリアとは、暮らしを翻訳すること」― 好きを、空間に変えていく話 いえのコダワリ
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インテリア設計の教科書 #18

家具選びではなく、光・素材・余白・暮らし方から空間を整える。一級建築士の視点で、心地よいインテリアの考え方をまとめたシリーズです。

SHEET — シリーズ全体のまとめS = 1:インテリア設計の教科書 18 / kobayan

結論:インテリアとは、家具を置くことでも、色をそろえることでもなく、「どう暮らしたいか」を空間に翻訳することです。

  • 正解のインテリアはない。流行っている=自分に合うではない
  • 光は気分を、素材は体の感覚を、家具は時間の過ごし方をつくっている
  • 余白があるから、人は呼吸できる
  • 居心地は、小さな感覚の積み重ねでできている
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「おしゃれな家にしたい」

家づくりやインテリアを考えるとき、北欧風、ホテルライク、和モダンといった「テイスト」から考えることはよくあります。もちろん、それも楽しい入り口です。

でも、このシリーズを18回書いてきて改めて思うのは、インテリアは見た目だけの話ではないということでした。

最終回では、これまでの回を振り返りながら、インテリアとは何かをもう一度考え、自分たちらしい空間をつくるための考え方をまとめます。

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「正解のインテリア」は存在しない

ホテルライクな空間で落ち着く人もいれば、木の多い空間のほうが安心する人もいます。同じ部屋でも、子育て中の家族と、夫婦二人の暮らしとでは、心地よさの基準が違います。

つまり、流行っていることと自分に合うことは別です。インテリアの正解は、雑誌やSNSの中ではなく、自分たちの暮らしの中にあります。

シリーズで見てきた、4つの視点

このシリーズでは、インテリアを4つの視点から考えてきました。

視点つくっているもの関連する回
光気分、落ち着き、夜の空気#02 明るい家なのに落ち着かない、#11 レースカーテン、#12 ダウンライト
素材体の感覚、空気の温かさ#04 木なら全部同じではない、#05 ヒノキ、#06 無垢床、#07 素材感
家具時間の過ごし方#15 椅子、#16 ソファと余白、#17 合う家具
余白と暮らし呼吸できる空間、安心感#10 和モダン、#13 生活感、#14 観葉植物

光は、「気分」をつくっている

明るすぎると疲れる。少し暗いと落ち着く。壁を照らすと空気がやわらかくなる。照明は、ものを見えるようにするだけでなく、気分を整える役割を持っています。夜の明るさが体の眠りのリズムにも影響することは、研究でもわかっています(#12)。

素材は、「体の感覚」に触れている

木、布、植物に囲まれると、なんとなく安心します。ガラスや光沢、金属が多いと、少し緊張感が出ます。素材は、光の返し方や手ざわりを通して、体の感覚に直接働きかけています(#07、#09)。

家具は、「時間」をつくっている

ソファ、ダイニングテーブル、椅子は、ただのモノではありません。そこには、本を読む、会話する、夜にぼんやりする、という時間の過ごし方があります。だから家具選びは、暮らしの設計でもあります(#17)。

余白があるから、人は呼吸できる

インテリアは、モノを増やすことではありません。むしろ空けることがとても大事です。動線、光の抜け、何も置かない場所。それがあるだけで、空気は大きく変わります(#16)。

居心地は、小さな感覚の積み重ね

朝の光、夜の照明、木の手ざわり、座ったときの体の感覚、窓の外の緑、部屋に残る少しの暮らしの気配。

一つひとつは小さなことです。でも、その積み重ねが「なんだか落ち着く家」をつくっています。居心地は、一つの家具や一つのテイストで決まるものではなく、たくさんの小さな感覚の重なりなのです。

「好き」を、空間に翻訳する

インテリアを「翻訳」と呼ぶのは、自分たちの中にある「こう暮らしたい」という感覚を、光や素材や家具の言葉に置き換えていく作業だからです。

  1. 好きな時間を書き出す:休日の朝、夜のくつろぎ、家族との食事。家で一番好きな時間はいつか
  2. その時間に、どんな光がほしいか:明るい窓辺、暗めの部屋に小さな灯り
  3. 何に触れていたいか:木のテーブル、柔らかいラグ、手ざわりのいい布
  4. どこに座っていたいか:ソファ、ダイニング、窓辺のベンチ、床
  5. 何を置かずにおくか:空けておきたい壁、床、窓辺

この5つに答えていくと、テイストの名前を決める前に、自分たちに合う空間の形が見えてきます。

👓 建築士のメモ

設計の打ち合わせで「どんなテイストが好きですか?」と聞くより、「休日の朝はどう過ごしていますか?」と聞いたほうが、その家族に合う空間が見えてくることが多いものです。インテリアは、カタログから選ぶものではなく、暮らしの中から見つけるものだと思います。

このシリーズで大切にしてきたこと

考え方意味
テイストより暮らし方流行や様式より、どう過ごしたいかから考える
見た目より感覚写真映えより、光・手ざわり・座り心地を大事にする
足すより空けるモノを増やすより、余白を残す
正解より相性一般的な正解より、自分たちに合うかを確かめる

暮らしを翻訳するための5つの問い

  • □ 家で一番好きな時間は、いつか
  • □ その時間に、どんな光の中にいたいか
  • □ 何に触れていると、安心するか
  • □ 家族はどこに座って、何をしているか
  • □ 何も置かずに、空けておきたい場所はどこか

インテリアのよくある質問(FAQ)

Q. 好きなテイストが家族でバラバラです。

テイストの名前で話し合うより、「どんな時間を過ごしたいか」から話し合うのがおすすめです。光、素材、余白といった共通の言葉で考えると、テイストが違っても、意外と共通点が見つかります。

Q. インテリアは、家を建ててから考えればいいですか?

家具や小物は住んでからでも選べますが、照明の位置、コンセント、窓の位置、壁や床の素材は、設計の段階で決まります。どんな時間を過ごしたいかだけでも、設計の段階で伝えておくと、インテリアの土台が整います。

Q. このシリーズは、どこから読めばいいですか?

気になる回から読んで大丈夫です。迷ったら、入口の#00、照明の#12、素材感の#07、余白の#16あたりから読むと、シリーズ全体の考え方がつかみやすいと思います。

まとめ|インテリアは、暮らしを翻訳すること

  • 正解のインテリアはなく、流行っている=自分に合うではない
  • 光は気分を、素材は体の感覚を、家具は時間をつくっている
  • 余白があるから、人は呼吸できる
  • 居心地は、小さな感覚の積み重ねでできている
  • インテリアとは、「どう暮らしたいか」を空間に翻訳すること

インテリアは、家具を置くことでも、色をそろえることでもありません。自分たちがどんな時間を、どんな空気の中で過ごしたいかを、光や素材や余白の言葉に翻訳していくことです。

18回にわたって読んでいただき、ありがとうございました。このシリーズが、あなたの暮らしを翻訳する手がかりになればうれしいです。

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この記事を書いた人|メガネ建築士(一級建築士・インテリアコーディネーター・ハウスメーカー設計士/150棟以上の住宅設計)
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