寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。
結論:収納は、使う場所の近くに分散させるのが基本です。出す・使う・戻すの距離が短いほど、片付けは続きます。
- 物は、使う場所の近くにしまう
- 分散収納は戻しやすく、集中収納は管理しやすい
- 玄関・LDK・洗面所は、物が集まりやすい場所
- 家事の動線の途中に収納をつくると、家全体が片付きやすい
収納は、「場所」で使いやすさが決まる
大きな納戸を一つつくったのに、リビングは散らかっている。そんな家はよくあります。理由は、使う場所としまう場所が遠いからです。
場所ごとの、収納の正解
| 場所 | しまう物 | ポイント |
|---|---|---|
| 玄関 | 靴、傘、上着、ベビーカー、外遊びの道具 | 土間収納で、外で使う物を玄関で完結 |
| リビング | 日用品、文房具、書類、子どもの物 | 扉付きで生活感を抑え、すぐ戻せる高さに |
| ダイニング・キッチン | 食器、食品ストック、家電 | パントリーやカップボード |
| 洗面所 | タオル、下着、洗剤 | 入浴・洗濯の動線の途中に(ライフスタイル #02) |
| 寝室 | 衣類、寝具 | クローゼット、WIC(#48) |
| 子供室 | 衣類、学用品、おもちゃ | 成長に合わせて変えられる収納 |
分散収納と集中収納
| 分散収納 | 集中収納 | |
|---|---|---|
| 考え方 | 使う場所ごとに小さな収納をつくる | 納戸などに大きくまとめる |
| 良いところ | 出し入れが近く、片付けやすい | 物の量を把握しやすく、管理がしやすい |
| 注意点 | どこに何があるか、家族で共有が必要 | 使う場所から遠いと、出しっぱなしになりやすい |
| 向いている物 | 毎日使う物 | 季節の物、ストック、たまに使う物 |
多くの家では、毎日使う物は分散、たまに使う物は集中という組み合わせが使いやすくなります。
動線との関係
家族が毎日通る動線の途中に収納があると、物が自然に戻ってきます。たとえば、玄関→洗面所→リビングという帰宅の動線の途中に、上着や通学かばんの置き場があると、リビングに物が散らかりにくくなります(ライフスタイル #03)。
よくある失敗
- 大きな納戸だけで、使う場所の近くに収納がない
- リビングに収納がなく、物があふれる
- 玄関に土間収納がなく、外の物が家の中に入ってくる
- 洗面所に収納がなく、タオルや下着を別の部屋に取りに行く
収納を配置する5つのステップ
- 物を「毎日使う物」「たまに使う物」に分ける
- 毎日使う物は、使う場所の近くに
- たまに使う物は、納戸などにまとめる(#64)
- 家族の動線の途中に収納をつくる
- 家族で、どこに何をしまうかを共有する
収納の打ち合わせでは、「納戸を〇畳」という大きさの話から始まりがちです。でも、片付く家にするには、まず「リビングで使う物は何か」「玄関で使う物は何か」を書き出してみてください。使う場所に収納があると、それだけで家はずいぶん片付くようになります。
わかっていること、いないこと
| テーマ | わかっていること | 注意点 |
|---|---|---|
| 使う場所の近くの収納 | 出し入れの距離が短いほど片付けが続きやすい、というのは収納設計の実務で広く知られている | 家族の性格や習慣でも変わる |
| 分散と集中 | 毎日使う物は分散、たまに使う物は集中が使いやすい | 家の広さや間取りで最適な配分は違う |
| 動線の途中の収納 | 帰宅動線の途中に収納があると、物がリビングに集まりにくい | 家族全員がその動線を使うことが前提 |
収納の配置を決める前に確かめたい5つのこと
- □ 毎日使う物を、使う場所の近くにしまえるか
- □ 玄関に、外で使う物の収納があるか
- □ リビングに、日用品や書類の収納があるか
- □ 洗面所に、タオルや下着の収納があるか
- □ 家族の帰宅の動線の途中に、収納があるか
収納の配置のよくある質問(FAQ)
Q. リビング収納は、どれくらい必要ですか?
書類、文房具、日用品、子どもの物など、リビングで使う物の量によります。扉付きの壁面収納や、階段下を使う方法もあります。
Q. ファミリークローゼットはどこに置くのがいいですか?
洗面所や浴室の近くに置くと、洗濯動線が短くなり、着替えもしやすくなります。
Q. 分散収納だと、どこに何があるかわからなくなりませんか?
家族で置き場所を決め、ラベルを付けるなど、共有の工夫をしておくと迷いにくくなります。
まとめ|収納は、使う場所に置く
- 物は、使う場所の近くにしまう
- 毎日使う物は分散、たまに使う物は集中
- 玄関・LDK・洗面所は物が集まりやすい場所
- 動線の途中に収納をつくると、家全体が片付く
収納は、たくさんつくるより、使う場所の近くにつくることが大切です。家族の毎日の動きを思い浮かべて、収納の場所を決めてみてください。
おすすめ|収納計画は第三者目線が効く
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インテリア設計の教科書。生活感を消しすぎない収納の話です。



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