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クローゼットの正解は?|奥行600mmと、”1段・2段”のパイプの使い分け

実施設計の教科書#65 クローゼットの正解は?― 1段・2段・奥行の考え方 いえのキホン
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実施設計の教科書 #65

寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。

SHEET — クローゼットの要点S = 1:実施設計の教科書 65 / kobayan

結論:クローゼットは奥行600mmが基本。ハンガーパイプは、長い服は1段、短い服は2段に使い分けると、同じ幅でもたくさん掛けられます。

  • ハンガーに掛けた服の奥行きは約600mm
  • 1段のパイプは、コートやワンピースなど長い服向き
  • 2段のパイプは、シャツやスカートなど短い服を2倍掛けられる
  • 子どもには、手が届く低めのパイプを

クローゼットは、「なんとなく」で失敗する

クローゼットは、扉を開けたら棚とパイプが1本、という形が多いものです。でも、奥行きやパイプの高さを考えずにつくると、奥行きが足りずに扉が閉まらない、下の空間がむだになる、ということが起きます。

奥行きは600mmが基本

ハンガーに掛けた服は、肩幅とハンガーの大きさで、奥行きが約600mm必要になります。奥行きが450mmほどだと、ハンガーを正面向きに掛けられず、服がはみ出したり、扉に当たったりします。

奥行き使い方
約450mmたたんだ服の棚、小物。ハンガーは斜めや正面掛けになる
約600mmハンガーを横向きに掛けられる基本の奥行き
約750mm以上奥のスペースが使いにくくなりやすい

パイプの高さの考え方

パイプ高さの目安(床から)向いている服
1段約1700〜1800mmコート、ワンピース、ロング丈の服
2段の上約1800〜1900mmシャツ、ジャケット
2段の下約900〜1000mmスカート、たたんだズボン、子どもの服

パイプの上には、帽子やかばんを置く棚をつけると、空間を無駄なく使えます。

1段と2段の使い分け

短い服ばかりを1段のパイプに掛けると、下の空間が空いたままになります。2段にすると、同じ幅で約2倍の服を掛けられます。

1つのクローゼットの中で、一部を1段、一部を2段にすると、長い服と短い服の両方に対応できます。可動式のパイプや棚にしておくと、あとから変えられます。

下のスペースの活用

  • 1段のパイプの下に、引き出しの収納ケースを置く
  • かばんや季節の小物を入れる箱を置く
  • 子どものおもちゃや学用品を置く

クローゼットの前の通路

クローゼットの前には、扉を開けて立ち、服を選ぶスペースが必要です。開き戸なら扉の幅、引き戸なら立つスペースだけで済みます。目安は800〜900mmです(#46 通路)。

家族ごとの考え方

  • 大人:長い服と短い服の量を見て、1段と2段を組み合わせる
  • 子ども:自分で掛けられる低めのパイプ。成長に合わせて上げられる可動式に
  • ファミリークローゼット:家族ごとに区画を分けて、取り違えを防ぐ

よくある失敗

  • 奥行きが足りず、扉が閉まらない
  • パイプが1段だけで、下の空間がむだになる
  • 子どもの手が届かず、自分で片付けられない
  • クローゼットの前にベッドがあって、扉が開かない

クローゼットを決める5つのステップ

  1. 掛ける服の量と丈を数える
  2. 奥行き600mmを確保する
  3. 1段と2段を組み合わせる
  4. 子どもには低めの可動パイプを
  5. 前の通路と扉の種類を決める
建築士のメモ

クローゼットの中は、図面には細かく描かれないことが多い部分です。今使っているクローゼットで、長い服と短い服がどれくらいあるかを数えておくと、新しい家のクローゼットを、1段と2段にどう分けるか決めやすくなります。

わかっていること、いないこと

テーマわかっていること注意点
奥行き600mmハンガーに掛けた服の奥行きとして一般的厚手のコートなどは、もう少し必要なこともある
パイプの高さ1段は約1700〜1800mm、2段は上下に分けるのが一般的身長や服の丈で、ちょうどいい高さは変わる
2段の収納量短い服なら、同じ幅で約2倍掛けられる長い服が多い場合は効果が小さい

クローゼットを決める前に確かめたい5つのこと

  • □ 奥行きは600mmあるか
  • □ 長い服と短い服の量を数えたか
  • □ 1段と2段の組み合わせを考えたか
  • □ 子どもの手が届く高さか
  • □ クローゼットの前に、立って服を選ぶ余裕があるか

クローゼットのよくある質問(FAQ)

Q. 扉は、開き戸と引き戸のどちらがいいですか?

開き戸は全体を見渡しやすく、引き戸は前のスペースを取りません。部屋の広さと、クローゼットの前の通路の幅で選びましょう。

Q. 扉なしのオープンクローゼットはどうですか?

出し入れが楽で、風通しもよくなります。ただ、ほこりが入りやすく、中が見えるので、整理を続けられるかで判断しましょう。

Q. クローゼットにも照明は必要ですか?

奥が暗いと服の色が見分けにくくなります。部屋の照明が届かない場合は、クローゼットの中に照明を付けると便利です(#67)。

まとめ|クローゼットは、奥行きとパイプで決まる

  • 奥行きは600mmが基本
  • 長い服は1段、短い服は2段で、同じ幅でも多く掛けられる
  • 子どもには、手が届く低めの可動パイプを
  • 前の通路と扉の種類も一緒に決める

クローゼットは、服の量と丈に合わせて中をつくると、同じ広さでもずっと使いやすくなります。

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この記事を書いた人|メガネ建築士(一級建築士・ハウスメーカー設計士/150棟以上の住宅設計)
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