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浴室サイズ1616は本当に正解?|1317・1616・1620の違いを、入浴の動きから考える

実施設計の教科書#20 浴室サイズ1616は本当に正解?― 1317・1616・1620の違い いえのキホン
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実施設計の教科書 #20

寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。

SHEET — 浴室サイズの要点S = 1:実施設計の教科書 20 / kobayan

結論:1616は「標準」ですが、正解とは限りません。浴室サイズは、誰が、どう入浴するかと、洗面所とのバランスで決まります。

  • ユニットバスの呼び名は内側の寸法(cm)。1616は約1600×1600mm
  • 1317はコンパクト、1616は戸建ての標準、1620は洗い場や浴槽にゆとり
  • 親子入浴や将来の介助では、洗い場の広さが効いてくる
  • 浴室を広げると脱衣・洗面所が狭くなることも。水回り全体で考える

「浴室は1616が普通です」

住宅の打ち合わせで、よく聞く言葉です。たしかに、今の戸建て住宅では1616サイズが標準と言われています。

でも、親子で入りたい、半身浴をしたい、将来は介助が必要になるかもしれない、というように、使い方が違えば、ちょうどいいサイズも変わります。この記事では、浴室サイズを、寸法と入浴の動きから整理します。

ユニットバスの呼び名は、「内側の寸法」

ユニットバスのサイズは、浴室の内側の寸法をcm単位で表した4桁の数字で呼ばれます。たとえば「1616」は、内側がおよそ1600mm×1600mmの浴室です。

呼び名内側の寸法の目安広さの目安向いている暮らし
1216約1200×1600mm約0.75坪マンション、コンパクトな住宅
1317約1300×1700mm約0.75坪単身、ふたり暮らし、敷地や面積に制約がある家
1616約1600×1600mm約1坪戸建ての標準。親子入浴もできる
1620約1600×2000mm約1.25坪洗い場や浴槽にゆとり。介助や親子入浴がしやすい

数字の差は数十cmでも、浴室のような小さな空間では、体感の広さが大きく変わります。

1317サイズのリアル

1317は、コンパクトな浴室です。家が小さくても入れやすく、費用も抑えられます。

一方で、洗い場が狭く、親子で入るときや、将来介助が必要になったときに窮屈に感じやすいサイズです。単身やふたり暮らし、面積に制約がある家に向いています。

1616サイズが標準になった理由

1616は、浴槽で足を伸ばしやすく、洗い場で親が子どもを洗うことができる広さです。日本の住宅の基本的な区画である1坪(約1820×1820mm)の中に、壁の厚みを含めてちょうど収まるので、間取りに組み込みやすいことも、標準になった理由の一つです。多くの住宅会社が、ここを基準にしています。

1620サイズの「400mm」が効く

1620は、1616より奥行きが約400mm長くなります。この差で、洗い場か浴槽のどちらかにゆとりが生まれます。

  • 半身浴をしやすい
  • 親子入浴がゆったりできる
  • 将来、介助する人が横に立てる
  • 洗い場に入浴用の椅子を置いても、動きやすい

ただし、浴室を大きくすると、そのぶん洗面所や脱衣室が狭くなるか、建物全体を大きくする必要があります。

親子入浴は、「洗い場」が大切

子どもを抱えて浴室に入る、座らせて洗う、抱き上げて浴槽に入れる。親子入浴では、浴槽より洗い場の広さが効いてきます。1317では、大人と子どもが並ぶとかなり窮屈です。

将来の介助を考える

浴室は、年齢を重ねて介助が必要になりやすい場所です。介助する人が横に立つ、手を貸す、入浴用の椅子を置く。こうした動きには、ある程度の広さが必要です。

  • 入口の段差をなくす
  • 手すりをつけられるように、壁の下地を入れておく
  • 開口の広い引き戸や折れ戸にする(#24 浴室ドア)

浴室では、転倒や、急な温度変化による体調の急変などの事故も起きやすくなります(#21 浴室で事故が多い理由、#22 ヒートショックを防ぐ間取り)。

浴室サイズは、「洗面所」とセット

浴室を大きくすると、隣の脱衣室や洗面所が狭くなることがあります。結果として、着替えにくい、洗濯機の前で動きにくい、ということになりかねません。

浴室サイズは、水回り全体で考えることが大切です(洗面所については洗面まわりの回で詳しく書いています)。

組み合わせの例起きやすいこと
浴室1620+狭い脱衣室お風呂は広いが、着替えや洗濯がしにくい
浴室1616+ゆとりある脱衣室バランスがよく、家族が多くても使いやすい
浴室1317+広い洗面所洗面と収納は充実するが、親子入浴は窮屈

浴室サイズを決める5つのステップ

  1. 誰が、どう入るかを書き出す:ひとりで、親子で、将来は介助で
  2. 入浴の動きを想像する:洗う、抱える、立ち上がる、介助する
  3. 脱衣室・洗面所の広さとセットで考える
  4. 将来の備えを入れておく:段差なし、手すりの下地、出入口の広さ
  5. ショールームで実際に入ってみる:浴槽にも洗い場にも立ってみる
建築士のメモ

浴室のサイズは、カタログの数字だけでは体感がつかみにくいものです。ショールームで、靴を脱いで実際に浴槽に入り、洗い場に座ってみてください。家族で一緒に入ってみると、1616と1620の違いがよくわかります。

わかっていること、いないこと

テーマわかっていること注意点
ユニットバスの呼び名内側の寸法をcm単位で表す呼び方が、業界で広く使われているメーカーによって、実際の内寸は少しずつ違う
介助と広さ介助入浴では、介助する人が立てる洗い場の広さが必要になる介助の方法や体格によって、必要な広さは変わる
浴室と洗面所のバランス水回り全体の配置で使いやすさが決まる、というのは設計の実務で広く知られている敷地や建物の形によって、とれる広さは変わる

浴室サイズを決める前に確かめたい5つのこと

  • □ 誰が、どのように入浴するか
  • □ 親子入浴をする時期があるか
  • □ 将来の介助を考えて、段差や手すりの下地を用意したか
  • □ 脱衣室・洗面所の広さとのバランスを確かめたか
  • □ ショールームで、実際のサイズを体感したか

浴室サイズのよくある質問(FAQ)

Q. 1616と1620、費用はどれくらい違いますか?

ユニットバス本体の価格差に加えて、浴室が大きくなるぶん建物の面積や間取りに影響します。メーカーや仕様で大きく変わるので、見積もりで比べてみましょう。

Q. 浴槽の大きさも選べますか?

同じ浴室サイズでも、浴槽の形や長さ、洗い場とのバランスを選べる製品が多いです。半身浴をしたい、足を伸ばしたい、洗い場を広くしたい、など使い方で選びましょう。

Q. 2階に浴室をつくってもいいですか?

つくれますが、排水の音や、将来階段を上り下りしにくくなったときのことも考えておきましょう(ライフスタイルの教科書 #09 階段)。

まとめ|浴室サイズは、暮らしで決まる

  • ユニットバスの呼び名は内側の寸法。1616は約1600×1600mm
  • 1317はコンパクト、1616は標準、1620はゆとり
  • 親子入浴や将来の介助では、洗い場の広さが効く
  • 浴室サイズは、脱衣室・洗面所とセットで考える

1616は、多くの家にとってちょうどいいサイズです。でも、自分たちの入浴の仕方に合っているかを確かめると、本当に使いやすい浴室が見えてきます。

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この記事を書いた人|メガネ建築士(一級建築士・ハウスメーカー設計士/150棟以上の住宅設計)
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