PR

浴室の窓は必要?|”つける派”と”つけない派”、建築士はこう考える

実施設計の教科書#23 浴室の窓は必要?― つける派 vs つけない派 いえのキホン
本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。
実施設計の教科書 #23

寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。

SHEET — 浴室の窓の要点S = 1:実施設計の教科書 23 / kobayan

結論:浴室の窓は必須ではありません。つけるなら、明るさと開放感のために、寒さ・視線・掃除・防犯に配慮した位置と大きさにします。

  • 浴室は法律上の「居室」ではないので、採光のための窓は義務ではない
  • 換気は換気扇で十分にできる
  • 窓は明るさ・開放感をくれる一方、寒さ・カビ・視線・防犯の弱点にもなる
  • つけるなら高い位置の小さめの窓が、多くの問題を減らせる

「お風呂に窓はつけますか?」

浴室の打ち合わせで、必ず出てくる質問です。昔の家には浴室に窓があるのが普通でしたが、最近は窓のない浴室も増えています。

この記事では、浴室の窓のメリットとデメリット、つけるならどう決めるかを整理します。

浴室の窓は、必須ではない

建築基準法では、リビングや寝室などの「居室」には、採光のための窓が必要です。でも、浴室は居室ではないので、採光のための窓は義務ではありません。

換気も、換気扇で十分にできます。今の住宅は24時間換気が義務になっていて、浴室の換気扇がその役割の一部を担っていることも多いです(性能設計の教科書 #08 24時間換気)。

窓のメリットとデメリット

メリットデメリット
明るさ昼は照明なしでも明るい—
開放感外の光や緑が感じられ、狭く感じにくい—
換気窓を開ければ一気に湿気を逃がせる—
寒さ—冬に窓から熱が逃げ、浴室が寒くなりやすい(#22)
カビ・掃除—窓まわりやサッシに結露とカビが出やすく、掃除の手間が増える
視線・防犯—外から見えないか、侵入口にならないかの配慮が必要

窓をつけるなら、位置が重要

  • 高い位置:外からの視線が入りにくく、浴槽につかったまま空が見える
  • 隣家や道路の正面を避ける:お互いの窓が向き合わないように(敷地設計 #05)
  • 浴槽の真上は避ける:掃除しにくく、寒さを直接感じやすい

窓の大きさの考え方

大きな窓は、明るく開放的ですが、寒さと視線、防犯の弱点が大きくなります。浴室の窓は、明るさをとる小さめの窓か、坪庭などに面した景色を楽しむ窓か、目的をはっきりさせて決めましょう。

防犯にも気をつける

浴室の窓は、換気のために開けたままにしがちで、侵入口になることがあります。一戸建ての侵入窃盗では、窓からの侵入が半数以上を占めています(性能設計の教科書 #11 防犯)。面格子や、人が通れない幅の窓にするといった対策を考えましょう。

建築士の考え方

こんな家なら窓のおすすめ
寒い地域、断熱を重視窓なし、または小さな高窓
掃除の手間を減らしたい窓なし
坪庭や景色を楽しみたい視線を遮った位置に、景色を切り取る窓
明るさがほしい高い位置の小さな窓、または明るい照明計画

浴室の窓を決める5つのステップ

  1. 窓の目的を決める:明るさか、景色か、換気か
  2. 寒さと断熱を確かめる:断熱性の高い窓を
  3. 視線を確かめる:隣家や道路から見えないか
  4. 防犯を考える:面格子、窓の幅
  5. 掃除のしやすさを考える:浴槽の真上を避ける
建築士のメモ

浴室の窓は、「なんとなく、あったほうがいい」で付けられることが多い窓です。でも、冬の寒さや毎日の掃除、外からの視線を考えると、なくても困らないことも少なくありません。付けるなら、何のための窓かをはっきりさせてから決めてみてください。

わかっていること、いないこと

テーマわかっていること注意点
採光の義務浴室は居室ではないので、採光のための窓は義務ではない地域の条例などで別の決まりがある場合は確認を
窓と熱窓は家の中で熱が出入りしやすい部位の一つ窓の断熱性能で、寒さは大きく変わる
窓と防犯一戸建ての侵入窃盗は、窓からの侵入が半数以上浴室の窓に限った統計ではない

浴室の窓を決める前に確かめたい5つのこと

  • □ 窓をつける目的は、明るさ・景色・換気のどれか
  • □ 冬の寒さに対して、断熱性の高い窓を選ぶか
  • □ 隣家や道路から、浴室の中が見えないか
  • □ 防犯の対策(面格子・窓の幅)を考えたか
  • □ 窓まわりの掃除を、無理なく続けられるか

浴室の窓のよくある質問(FAQ)

Q. 窓がないと、カビが生えやすくなりませんか?

換気扇をしっかり回せば、窓がなくても湿気は外に出せます。入浴後に換気扇を回し、壁や床の水をさっと拭くと、カビはかなり防げます。

Q. 窓をつけると、明るさはどれくらい違いますか?

昼間は照明なしでも明るくなります。ただ、夜の入浴が中心の家庭なら、窓より照明の計画のほうが効くことも多いです。

Q. あとから窓をふさぐことはできますか?

ユニットバスの窓は、後からふさぐのは簡単ではありません。迷ったら、窓をつけない、または小さな窓にしておくのが無難です。

まとめ|浴室の窓は、目的で決める

  • 浴室の窓は必須ではない。換気は換気扇でできる
  • 窓は明るさと開放感をくれる一方、寒さ・カビ・視線・防犯の弱点にもなる
  • つけるなら、高い位置の小さめの窓が多くの問題を減らせる
  • 何のための窓かをはっきりさせて決める

浴室の窓は、つけるか、つけないかより、何のためにつけるかが大切です。自分たちの入浴の時間帯や、家の場所の条件から考えてみてください。

おすすめ|浴室の窓計画は第三者目線が効く

一級建築士・こばやんより

家づくりで後悔した、という声の多くは、間取りが確定する前に、一度も専門家と話せなかったことが原因です。
工事前なら、まだ間に合います。


▶ 建築士がすすめる、後悔しない第一歩

タウンライフ家づくり
― 営業なし・完全無料で、間取りを整理できる場所 ―

○契約前・打合せ前から相談できる(しつこい営業なし)
○複数社の間取りを比較してから決められる
○「この間取り、本当に大丈夫か?」を中立な立場で整理してくれる
○間取り・収納・動線の”見落とし”を、プロ視点で確認できる

「間取りの後悔って、工事前なら防げることが多いです。
比較せずに決めるのが、一番危ない。」

― こばやん(一級建築士)

今すぐ間取りを整理する →
タウンライフ家づくり(完全無料)

※ 完全無料・しつこい営業なし・いつでも退会OK
※ 本リンクはアフィリエイト広告を含みます

次に読む

シリーズの前の回。ヒートショックを防ぐ間取りです。

ヒートショックを防ぐ間取り|脱衣室と浴室の"温度差"を、設計でなくす
冬の入浴中の事故は、寒い脱衣室・浴室と熱いお湯の温度差が関係していると考えられています。入浴中の急死は年間約1万9,000人という推計もあります。脱衣室が寒くなる理由と、間取り・暖房・断熱で温度差を小さくする方法を一級建築士が解説します。

シリーズの次の回。浴室ドアはどれが正解?という話です。

浴室ドアはどれが正解?|折戸・引戸・開き戸の違いを、安全と介助から考える
浴室のドアは、折戸・引戸・開き戸の3種類。毎日の使いやすさだけでなく、掃除のしやすさ、開口の広さ、そして浴室で人が倒れたときに外から開けられるかまで考えて選ぶことが大切です。将来の介助も見据えた浴室ドアの選び方を一級建築士が解説します。

性能設計の教科書。24時間換気って止めちゃダメなの?という話です。

「"24時間換気"って、止めちゃダメなの?」|建築士が考える、"空気まで設計する家"の話
24時間換気は、うるさい、寒い、電気代がもったいないと止めてしまう人もいます。でも、換気は家の空気と湿気をコントロールする大切な設備で、2003年から住宅に設置が義務づけられています。換気の役割、湿度の目安、高気密住宅ほど換気が大切な理由を一級建築士が解説します。
この記事を書いた人|メガネ建築士(一級建築士・ハウスメーカー設計士/150棟以上の住宅設計)
設計実務の目線で「後悔しない家づくり」を発信しています。 プロフィール・運営者情報 ▶

コメント

タイトルとURLをコピーしました