寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。
結論:洗面台は1人中心なら750mm、家族で使うなら900mm。脱衣室は、洗面台・洗濯機・収納・着替えの動作を足して広さを決めます。
- 洗面台750mmは1人用、900mmなら2人並べて収納にも余裕
- 脱衣室は内側1200×1400mmが基準、収納も置くなら1坪以上
- 洗濯機は防水パン+上と横のゆとり。ドラム式は扉の前のスペースも
- 扉は引戸が家事動線に有利
「とりあえず750」で決めていませんか?
洗面化粧台の幅は、標準の750mmで決められることが多いものです。でも、洗面・脱衣室は、朝の身支度、入浴前後の着替え、洗濯、タオルや下着の収納が重なる、家の中でも忙しい場所です。
洗面台の幅:1人中心なら750mm、家族使用なら900mm
| 洗面台の幅 | 使い心地 |
|---|---|
| 約600mm | コンパクト。収納が少ない |
| 約750mm | 1人で使うには十分。朝の混雑時は交代で |
| 約900mm | 2人が並んで身支度しやすい。収納にも余裕 |
| 約1200mm以上(造作・2ボウル) | 朝の家族の身支度を同時に。面積が必要 |
朝、家族が同時に洗面所を使うなら、900mm以上を検討しましょう。洗面台を造作すると、幅や高さ、収納を自由に決められます。
広さ:内側1200×1400mmを基準に考える
洗面台750mm+洗濯機約650mm=幅約1400mm、設備の奥行き約600mm+前の動作約600mm=奥行き約1200mm。これが内側の寸法の基準です。収納や室内干しを加えるなら、1坪以上に広げます。
くわしくは#14 洗面・脱衣室の広さは何mm?で解説しています。

洗濯機スペース:最低700×700mmを想定する
本体の寸法に、排水・ホース・すき間・買い替えの余裕を足して、最低でも700×700mmを想定します。水栓は本体より上に、ドラム式は扉の前、縦型はふたの上の空間も必要です。
くわしくは#15 洗濯機置き場は何mm必要?で解説しています。

収納の奥行き:450mm・幅600mm以上が基準
収納ケースやバスタオルが入る奥行き約450mm、家族分を分けて置ける幅600mm以上が基準です。よく使う物は腰から目の高さに。
くわしくは#18 洗面所の収納は奥行き何mm?で解説しています。

窓:必須ではない、換気計画で決める
湿気は換気扇で計画的に出します。明るさがほしいなら高窓に。窓は冬の寒さや視線、収納の壁の不足にもつながります。
くわしくは#19 洗面所に窓は必要?で解説しています。

扉:基本は引き戸、有効幅が命
狭い洗面所では開き戸が動作の邪魔になりやすいので、基本は引き戸。洗濯かごを持って出入りするなら有効幅約700mm以上、洗濯機の搬入も考えるなら約750〜800mmです。
くわしくは#16 洗面所の扉は引き戸?開き戸?で解説しています。

洗面・脱衣室をつくる5つのステップ
- 洗面台の幅を決める:750mmか900mm以上か
- 洗濯機の種類と置き場所を決める
- 収納の量と奥行きを決める
- 着替えの動作スペースを足して広さを決める
- 窓・扉・換気を決める
洗面・脱衣室は、朝と夜に家族の動きが集中する場所です。朝の身支度の時間に、誰が何分使っているかを思い浮かべると、洗面台の幅や、洗面と脱衣を分けるかどうかが決めやすくなります。
わかっていること、いないこと
| テーマ | わかっていること | 注意点 |
|---|---|---|
| 洗面台の幅 | 750mmは1人用、900mmで2人並べるというのは住宅の実務で広く使われる目安 | 製品によって収納量や使い勝手は違う |
| 防水パン | 約640×640mm、約740×640mmが一般的 | 洗濯機の脚の位置と合うか確認が必要 |
| 脱衣室の広さ | 1坪が標準的な広さとして多く使われている | 洗濯機や収納の大きさで必要な広さは変わる |
洗面・脱衣室を決める前に確かめたい5つのこと
- □ 洗面台の幅は、朝の家族の使い方に合っているか
- □ 洗濯機の種類(ドラム式・縦型)に合ったスペースか
- □ タオルや下着の収納が、使う場所の近くにあるか
- □ 着替えの動作スペース(約900mm)があるか
- □ 扉は引戸にできるか、換気は十分か
洗面・脱衣室のよくある質問(FAQ)
Q. 洗面と脱衣は分けたほうがいいですか?
家族が入浴中でも洗面台を使えるので、家族が多い家や、来客に洗面所を使ってもらいたい家に向いています。そのぶん面積は必要です。
Q. ドラム式と縦型、スペースは違いますか?
ドラム式は扉の前に出し入れのスペース、縦型はふたを開ける上の空間が必要です。将来の買い替えも考えて、余裕を持たせておきましょう。
Q. 洗面所に室内干しはできますか?
1.25坪以上あれば、物干しパイプと換気扇・除湿で室内干しスペースにできます。乾燥機を使う方法もあります(#25)。
まとめ|洗面・脱衣室は、重なる動作で決める
- 洗面台は1人中心なら750mm、家族使用なら900mm
- 脱衣室は内側1200×1400mmが基準、収納も置くなら1坪以上
- 洗濯機は防水パン+上と横のゆとり
- 収納は奥行き300〜450mm
- 窓は換気と視線・湿気、扉は引戸が有利
洗面・脱衣室は、身支度・入浴・洗濯が重なる、家の中の交差点です。重なる動作を一つずつ足して、寸法を決めてみてください。
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一級建築士・こばやんより
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