寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。
結論:カップボードの奥行きは基本450mm。電子レンジなどの家電を置く部分は600mmあると安心です。
- 食器や小物は奥行き450mmで十分
- 電子レンジ・オーブンは奥行き600mmあると、後ろの放熱とコードにも余裕
- 炊飯器は蒸気の逃げ場が必要。引き出せるスライド棚が便利
- 奥行きを深くすると、そのぶん通路が狭くなる
キッチン収納は「奥行き」で使いやすさが変わる
カップボードは、食器、家電、ストックをしまう背面収納です。奥行きが浅いと家電がはみ出し、深すぎると奥の物が取り出しにくく、通路も狭くなります。
450mmと600mmの違い
| 奥行き | 向いている物 | 注意点 |
|---|---|---|
| 約450mm | 食器、小物、カトラリー | 大きな電子レンジははみ出すことも |
| 約600mm | 電子レンジ、オーブン、炊飯器などの家電 | 食器だけだと奥がむだになりやすい |
家電収納は600mmが安心
電子レンジやオーブンは、本体の奥行きに加えて、後ろの放熱や電源コードのスペースが必要です。家電を置く部分だけ奥行き600mmにし、食器の部分は450mmにする、といった組み合わせもできます。
炊飯器の蒸気問題
炊飯器の蒸気が上の棚に当たると、棚が傷んだり、結露したりします。引き出して使えるスライド棚や、上に空間のある位置に置きましょう。コンセントの位置も、家電を置く高さに合わせて用意します。
ゴミ箱スペースも一緒に考える
カップボードの下にゴミ箱を置く家庭も多くあります。分別ゴミの数と大きさに合わせて、下の空間を空けておきましょう(#31 ゴミ箱)。
通路とのバランス
カップボードの奥行きが深いほど、キッチンとの間の通路は狭くなります。通路は1人なら900mm、2人なら1000〜1200mmを目安に、全体の奥行きを確かめましょう(キッチンの広さ)。
カップボードは、キッチン本体と一緒に選ぶことが多いですが、置く家電が決まっていないことがよくあります。今使っている電子レンジ、炊飯器、トースター、電気ケトルの寸法を測っておくと、ちょうどいい奥行きと、コンセントの位置が決めやすくなります。
わかっていること、いないこと
| テーマ | わかっていること | 注意点 |
|---|---|---|
| 奥行き450mm | 食器や小物の収納として一般的 | 大きな食器や鍋は収まらないことも |
| 家電と奥行き600mm | 家電の奥行きと放熱・コードの余裕のため | 家電の大きさで必要な奥行きは変わる |
| 炊飯器の蒸気 | 上の棚に当たると傷みや結露の原因に | 蒸気を抑える製品もある |
カップボードを決める前に確かめたい5つのこと
- □ 置く家電の寸法を測ったか
- □ 家電の部分に奥行き600mmあるか
- □ 炊飯器の蒸気の逃げ場があるか
- □ 家電の高さにコンセントがあるか
- □ カップボードの前の通路は十分か
カップボードのよくある質問(FAQ)
Q. カップボードはキッチンメーカーでそろえるべき?
色や素材をそろえやすい一方、造作や家具で用意する方法もあります。寸法と使い方に合うものを選びましょう。
Q. 吊戸棚は必要ですか?
収納量は増えますが、高い位置は手が届きにくく、圧迫感も出ます。背面収納を充実させて、吊戸棚をなくす家も増えています。
Q. 奥行き600mmだと通路が狭くなりませんか?
家電の部分だけ600mmにして、ほかは450mmにすると、通路への影響を抑えられます。
まとめ|カップボードは、しまう物で奥行きを決める
- 基本は奥行き450mm
- 家電を置く部分は600mmが安心
- 炊飯器の蒸気とコンセントの位置も考える
- 通路とのバランスで全体の奥行きを確かめる
カップボードは、しまう物の大きさから奥行きを決めると、毎日の使いやすさが変わります。
おすすめ|キッチン計画は第三者目線が効く
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