寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。
結論:トイレの手すりは、右側に手すり+両側に下地が基本です。今つけなくても、壁の中の下地だけは入れておきます。
- 多くの人が右利きであることから、手すりは右側を基本に
- どちら側が必要になるかわからないので、下地は両側に
- 横の手すりは床から約650〜700mm、縦の手すりは便器の先端より前に
- 横から介助するなら、介助する人が立つスペースも
「まだ若いから大丈夫」が一番あぶない
手すりは、年齢を重ねてから必要になるものと思われがちです。でも、骨折や手術のあと、妊娠中、体調が悪いときにも、トイレの手すりは大きな助けになります。
なぜ右側が基本なのか
多くの人は右利きで、右手で体を支えて立ち上がることが多いため、右側(便器に座ったときの右手側)に手すりをつけるのが基本とされています。ただ、利き手やけがの状態で、必要な側は変わります。
下地は必ず両側に
手すりは、壁の中に下地(補強の板)がないと、しっかり取り付けられません。将来どちら側に必要になるかわからないので、両側の壁に下地を入れておくと安心です。
手すりの高さの目安
| 手すり | 位置の目安 | 役割 |
|---|---|---|
| 横の手すり | 床から約650〜700mm | 座っている姿勢を支える |
| 縦の手すり | 便器の先端から前方へ約200〜300mm | 立ち上がるときに体を引き上げる |
| L型手すり | 横と縦を組み合わせる | 座る・立つの両方を支える |
実際に取り付けるときは、使う人の体格や身体の状態に合わせて調整しましょう。
狭いトイレでの注意点
トイレの内側の幅が約900mm前後だと、手すりをつけると肘まわりが狭くなります。手すりは出っ張りの少ない形を選び、紙巻き器との位置関係も確かめましょう(トイレの広さ)。
横から介助するなら
介助する人が横に立って手を貸すには、便器の横にスペースが必要です。介助を想定するなら、トイレの広さとドアの開き方も一緒に考えましょう(#08 トイレのドア)。
手すりそのものは、必要になってから付けても間に合います。でも、壁の中の下地は、建てるときにしか入れられません。両側の壁に下地を入れておくことは、費用も手間も小さく、将来の安心は大きい選択だと思います。
わかっていること、いないこと
| テーマ | わかっていること | 注意点 |
|---|---|---|
| 右側の手すり | 右利きの人が多いことから右側が基本とされる | 利き手や身体の状態で必要な側は変わる |
| 手すりの高さ | 横は床から約650〜700mmが目安 | 使う人に合わせて調整が必要 |
| 下地 | 壁の中に下地がないと手すりはしっかり付かない | 後から入れるには壁の工事が必要 |
トイレの手すりを決める前に確かめたい5つのこと
- □ 両側の壁に下地を入れたか
- □ 手すりをつける側を決めたか
- □ 横と縦の手すりの位置を確かめたか
- □ 狭いトイレで肘まわりが窮屈にならないか
- □ 介助のスペースを考えたか
トイレの手すりのよくある質問(FAQ)
Q. 今から手すりをつけておくべき?
家族にすぐ必要な人がいなければ、下地だけ入れておき、必要になったときに付ける方法がおすすめです。
Q. 手すりの代わりになるものは?
手すり付きの紙巻き器や、カウンターなどもありますが、体重を支える強さがあるか確かめましょう。
Q. 介護保険で手すりは付けられますか?
条件を満たせば、住宅改修の費用の一部が支給される制度があります。自治体やケアマネジャーに相談しましょう。
まとめ|トイレの手すりは、下地から
- 右側の手すりが基本、下地は両側に
- 横は床から約650〜700mm、縦は便器の先端より前に
- 狭いトイレでは出っ張りの少ない手すりを
- 介助のスペースとドアも一緒に考える
トイレの手すりは、いつか必要になる日のための準備です。建てるときに、下地だけでも入れておきましょう。
おすすめ|トイレ手すりは第三者目線が効く
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#08 トイレのドアの回です。

#10 トイレの窓の位置の回です。

トイレの実施設計 完全ガイドです。



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