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在宅勤務が多い人の間取り|ITエンジニアの家づくりで書斎と生活音を両立する方法

いえのキホン
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家が職場になると、間取りの条件が変わる

「書斎をつくったのに、結局ダイニングで仕事している」。

在宅勤務のある家で起きやすいズレです。原因は部屋の広さではなく、集中できる条件と、会議に出られる条件がそろっていないことが多い。家族の声が届く。背景に洗濯物が映る。コンセントが足りない。

職業の働き方を公的データで読み解き、住まいに翻訳するケーススタディの2本目。今回は在宅勤務が多いITエンジニア(システムエンジニア)の家づくりを、「書斎」「配線と通信」「生活音」の3つから考えます。

SHEET — 在宅勤務の間取りの要点S = 1:家が職場 / kobayan

結論:在宅勤務の家は、「集中できる位置」と「後から足せない配線」から決める。

  • 書斎は広さより位置。LDK・水回り・玄関から離す
  • 会議に出るなら背景と光まで設計する。窓を背にしない
  • コンセント・LANは家具より先に決める。後から足すと高くつく
  • 在宅の頻度で個室か、コーナーかを選ぶ
📐 この記事の考え方 シリーズ

「働き方→生活時間→空間の条件」という考え方は、ライフスタイルの教科書#16「仕事と暮らし」で詳しく解説しています。この記事は、その考え方をITエンジニアの働き方に当てはめた実例です。

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ITエンジニアの仕事の特徴|画面と会話の両方がある

厚生労働省のjob tagでは、システムエンジニア(受託開発)の仕事を、顧客へのヒアリング、要件定義、設計、テスト、導入後の保守までと紹介しています。プログラムを書くだけの仕事ではありません。

住まいに関わるのは、次の3つです。

  • ほぼ座り仕事。job tagの「仕事の性質」では、座り作業が5点満点で4.7。長時間、同じ場所に座り続ける
  • 画面と文字のやりとりが中心。電子メールも4.7。モニター・パソコン・通信が仕事の道具そのもの
  • 会話も多い。電話での会話3.7、対面での議論3.5。在宅でも、オンライン会議で話す時間がある

つまり、静かに集中する時間と、声を出して話す時間が同じ場所で交互に来る仕事。ここが、空間の条件を決めます。

働き方|在宅勤務の頻度で、必要な部屋が変わる

国土交通省の「令和7年度テレワーク人口実態調査」では、雇用型就業者のうち、これまでにテレワークをしたことがある人の割合は、業種別で情報通信業が74.1%と最も高くなっています。ITの仕事は、在宅勤務と相性がいい業種です。

ただし、頻度は会社や担当によってまったく違います。間取りは「IT系だから書斎」ではなく、在宅の頻度で考えます。

働き方家での時間の特徴住まいへの影響
ほぼ在宅平日の日中、ずっと家で働く。会議も家から個室の書斎。音・背景・配線までそろえる
週に数日在宅在宅日は会議が集中しがち個室か半個室。会議の時間だけ静かにできる位置
ほぼ出社家での仕事は、急ぎの対応や持ち帰り程度ワークコーナーで十分なことが多い

job tagの労働条件には、納期が迫ると休日や夜間に仕事をすることもあると書かれています。家族が眠る時間に作業する日があるなら、書斎と寝室の位置関係も大事になります。

年収・労働時間のデータ|数字は背景として読む

job tagに掲載されているシステムエンジニア(受託開発)の統計データ(令和7年賃金構造基本統計調査)は次のとおりです。

項目全国の数値読むときの注意
賃金(年収)578.5万円月の決まって支給する給与×12+年間賞与で計算した値
労働時間159時間(月)所定内の時間。残業は含まない
平均年齢37.1歳ソフトウェア開発技術者(WEB・オープン系)等の職業分類の数値
※統計は、システムエンジニアが属する職業分類の数値で、受託開発のSEだけを切り出したものではありません。年収は職業を理解する背景情報です。書斎の広さや借入額をこの数字から決めることはおすすめしません。

IT系は、会社員だけでなくフリーランスや副業で働く人も多い分野です。家づくりでは「職業の平均」ではなく、自分の世帯の働き方と収入から資金計画を立てるのが基本です。

暮らしへの影響|家が職場になる、ということ

  • 家族と同じ時間に、違うことをする。家族の在宅時間と仕事の時間が重なる
  • 会議中は、家の音がすべて入る。子どもの声、インターホン、洗濯機、掃除機
  • 背景が映る。カメラの向きによっては、生活感がそのまま画面に出る
  • オンとオフが切り替わりにくい。通勤がないぶん、仕事を終える区切りが必要

大事なのは、これが本人だけでなく家族の我慢にもなること。「会議中だから静かにして」が毎日続く家は、家族にとっても暮らしにくい家です。

ITエンジニアにおすすめの空間|書斎・配線・生活音の3つ

① 書斎:広さより、位置と背景

在宅勤務の書斎で一番効くのは、広さではなく家のどこに置くかです。

  • LDK・水回り・玄関から離す。生活音と来客の音が一番届く場所
  • カメラに映る背景を壁にする。デスクの背中側を通路や収納の扉にしない
  • 窓を背にしない。逆光で顔が暗く映る。窓は横か前に
  • 扉のある部屋に。会議の声が家族側に漏れにくい

視線とデスクの向きは在宅ワークが疲れるのは視線のせいかもしれない、書斎の広さの考え方は書斎・ワークスペースの設計で後悔しないためにで詳しく解説しています。

② 配線と通信:家具より先に決める

パソコン、モニター、ルーター、充電器。在宅勤務の机まわりは、思った以上に電源を使います。コンセントとLANは、建てたあとに足すと工事が大がかりになりやすい部分です。

  • デスクの高さに近い位置に、余裕のある数のコンセント
  • 有線LANを書斎まで。使わなくても、配管だけ通しておくと後から入れやすい
  • Wi-Fiルーターは家の中心寄りに。書斎が遠いなら中継の位置も計画
  • 照明は画面に映り込まない位置に。手元を照らすデスクライト用の電源も

③ 生活音:会議の時間だけでも静かにできる配置

完全な防音室は、在宅勤務の多くの人には必要ありません。音の発生源から距離をとり、間に収納や廊下を挟むだけでも、聞こえ方は変わります。子ども部屋の隣、洗面脱衣室の隣は、できるだけ避けたい位置です。音の計画の考え方はライフスタイルの教科書#11が応用できます。

在宅勤務の書斎は、会社によって提案が変わります PR

書斎の位置や配線は、敷地と間取りの全体で答えが変わる部分です。同じ「書斎がほしい」でも、住宅会社ごとに提案はまったく違います。「週3日在宅で会議が多い」と働き方まで要望に書いて、複数社の間取りと資金計画を比べると、自分の働き方に合う案が見つけやすくなります。

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間取りへの落とし込み|3つのレベルで考える

全員に個室の書斎が必要なわけではありません。在宅の頻度と面積に合わせて選びます。

レベル内容向いている人
A 個室の書斎扉のある専用室を、LDKや子ども部屋から離れた位置にほぼ在宅、会議が多い、夜間に作業する日がある
B 半個室・ワークコーナー寝室の一角や階段ホールに、壁を背にできるデスクスペース週に数日在宅、会議は短め
C 今の家の改善背景になる壁の確保、延長コードではなくデスク近くの電源整理、会議時間の共有から住み替えや新築の予定がまだない
◎ 個室の書斎を考えたい人
  • 週3日以上在宅で、会議が多い
  • 夫婦ともに在宅勤務がある
  • 小さな子どもがいて、日中も家がにぎやか
○ ワークコーナーで十分な人
  • 在宅は月に数回程度
  • 会議はほとんどない
  • 将来、出社中心になる可能性が高い

夫婦ともに在宅勤務がある家は、会議の声が互いに聞こえない距離をとるのが一番の課題です。2人分の働き方をそろえて考えると、間取りの優先順位が見えてきます。

予算との付き合い方|お金をかける順番

  • 1位:書斎の位置。あとから変えられない。設計段階でしか決められない
  • 2位:コンセント・LAN・照明の配線。後付けは壁や天井を開ける工事になりやすい
  • 3位:扉と収納の配置。音と背景を左右する部分
  • あとからでよいもの:デスク、椅子、モニターアーム、デスクライト。住みながら調整できる

働き方は、転職や会社の方針でも変わります。書斎は将来の子ども部屋や趣味室に転用できる広さと位置にしておくと、ムダになりません。総予算の考え方は家づくりのお金 完全ガイドで整理しています。

在宅勤務の間取りのよくある質問(FAQ)

Q. 書斎は何畳あればいいですか?

デスクと椅子、収納の量で決まります。広さより、扉の有無と位置のほうが効きます。広さの分岐点は「書斎・ワークスペースの設計で後悔しないために」で詳しく解説しています。

Q. ダイニングで仕事をするのはダメですか?

在宅の頻度が低く、会議が少ないなら十分です。ただし毎日になると、食事のたびに片付けが必要になり、家族の生活音も入ります。週に数日以上なら、専用の場所を考える価値があります。

Q. 夫婦2人とも在宅勤務です。どうすればいいですか?

2人の会議の声が互いに聞こえない距離をとることが最優先です。同じ部屋に並べるより、別の階や、収納を挟んだ別の部屋に分けるほうが快適です。

Q. 将来、出社中心に戻ったら書斎はムダになりませんか?

扉のある個室は、子ども部屋、趣味室、来客用の部屋に転用しやすい部屋です。コンセントやLANも、どの用途でも役に立ちます。

Q. 今の家(賃貸)でできることはありますか?

カメラに映る背景を壁にする、窓を背にしない向きにデスクを置く、電源タップを整理する、会議の時間を家族と共有する。この4つから始めると効果を感じやすいです。

※本記事は情報提供が目的で、特定の契約を勧めるものではありません。資金計画やローンの判断はファイナンシャルプランナー等の専門家にもご相談ください。
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在宅勤務の家づくりで大事なのは、書斎の位置と配線。どの住宅会社に頼むかで、提案の質が大きく変わる部分です。要望欄に在宅の頻度や会議の多さを書いて、複数社の間取りと資金計画を取り寄せると、自分の働き方に合う会社が見えてきます。

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まとめ|在宅勤務の家は「位置」と「配線」から設計する

  • 書斎は広さより位置。LDK・水回り・玄関から離す
  • 会議に出るなら背景と光まで設計する
  • コンセント・LANは家具より先に
  • 在宅の頻度で個室かコーナーかを選び、将来の転用も残す

家が職場になるなら、職場としての条件も設計に入れる。それだけで、家族も本人も暮らしやすくなります。

参考資料

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