結論:「変動か固定か」より「いくら借りるか」の設計が先。金利が上がった今こそ、複数社の資金計画比較が欠かせない。
- 2026年9月時点、変動金利の最低水準は年1.227%、フラット35は年3.460%(差は約2.2%)
- 日銀は政策金利を1.25%程度へ引き上げ。「低金利時代の終わり」は現実になった
- 変動を選ぶなら「金利1〜2%上昇しても返せる借入額」に設定するのが建築士の基準
- 資金計画は1社だけでなく複数社で比較すると、提案の質・コストに大きな差が出る
「変動金利、もう1%を超えてるって本当ですか?」
家づくりの相談をしていると、最近こういう質問を受ける回数が増えた。2026年9月現在、日銀の政策金利は1.25%程度。住宅ローンの変動金利も、ネット銀行の最低水準で年1.227%と、かつての「0.3%台」が遠い昔のように感じる水準になった。
「だったら固定金利にしたほうがいいの?」——そう考えるのは自然だ。でも、私が設計の現場で見てきた経験では、金利タイプの選択より前に決めておくべきことがある。それが「借入額の設計」だ。
2026年9月の住宅ローン金利、いまどうなっているか
まず数字を整理しておこう。日本銀行は2026年9月の金融政策決定会合で追加利上げを決定し、政策金利を1.0%程度から1.25%程度に引き上げた。これに連動して、各銀行の変動金利も引き上げが相次いでいる。
- 変動金利(ネット銀行最低水準):年1.227%
- フラット35(全期間固定):年3.460%
- 固定10年(メガバンク水準):年2.5〜3.0%前後
- 日銀政策金利:1.25%程度(2026年9月利上げ後)
変動と固定(フラット35)の差は約2.2%。圧倒的に変動が有利に見えるが、問題は「この差が今後どれくらい縮まるか」だ。日銀はまだ「緩やかな利上げ」の方針を維持しており、変動金利がさらに上がる可能性は十分にある、というのが現在の市場コンセンサスだ。
変動金利が向いている人、固定金利が向いている人
「変動か固定か」は、金利水準の問題より「自分の家計がどちらのリスクを受け入れられるか」の問題だ。建築士として資金計画に関わる立場から、整理してみる。
- 借入額が年収の5倍以内に収まる
- 手元に繰り上げ返済できる現金がある
- 返済期間が20年以下(または残り短い)
- 共働きで収入が安定している
- 金利上昇時に生活費を圧縮できる柔軟性がある
- 返済額を毎月固定したい(教育費との兼ね合い)
- 片働きで収入の余裕が少ない
- 借入額が年収の6〜7倍と高め
- 金利の動向を気にし続けるのがストレス
- 定年までの返済期間が25年以上
どちらが「得か」ではなく、どちらなら「安心して暮らせるか」が判断軸だ。住宅ローンは35年続くもの。金利の有利不利より、精神的な安定性のほうが日々の暮らしに直結する。
金利1%上昇で、返済額はどれくらい変わるか
変動金利のリスクを肌感覚で理解するために、シミュレーションを見てほしい。3,000万円・35年・元利均等という条件での試算だ。
- 金利1.0%(現状に近い水準)→ 月返済 約84,685円
- 金利2.0%(+1%上昇シナリオ)→ 月返済 約99,378円(月+約14,700円)
- 金利3.0%(+2%上昇シナリオ)→ 月返済 約115,454円(月+約30,800円)
金利が1%上がると、月に約1.5万円ほど返済が増える計算だ(借入額・条件によって異なる)。年間にすれば18万円近い差になる。「これが許容できるか」を事前に家計で確認しておくことが、変動金利を選ぶ前の最低条件だと思っている。
なお変動金利には「5年ルール」「125%ルール」という保護があり、急激な返済額増加は抑制される。ただし金利が上昇し続けると未払い利息が発生するリスクもある。「返済額が変わらないから安心」とは言い切れない点も、知っておいてほしい。
「変動か固定か」より先に決めること:借入額の設計
私が設計士として資金計画のヒアリングをするとき、必ず最初に確認することがある。それは「月々いくらなら返せますか?」ではなく、「今の家賃の何割まで増やせますか?」だ。
住宅ローンは借りた瞬間から35年の約束になる。金利が上がっても、子どもの教育費がかさんでも、収入が一時的に落ちても、返済は止められない。だからこそ「いくら借りるか」の設計が、金利タイプの選択より先に来る。
建築士目線の基準を一つ言うなら、「変動金利で借りるなら、金利2%でも返済できる額に抑える」こと。現在の変動金利1.2%台でシミュレーションして余裕があっても、そこが上限ではない。2%になったときのシミュレーションでも「返せる」と思える額が、本当の借入適正額だ。
- 月々の返済額は「手取り収入の25%以内」を目安に
- 変動を選ぶなら「金利+1〜2%」でもシミュレーションを必ず行う
- 頭金は物件価格の10〜20%が安全圏(諸費用分は現金)
- 固定資産税・修繕積立費を含めた「住居費総額」で考える
- 教育費のピーク(小学校〜大学)と返済期間が重なる場合は特に保守的に
複数社の資金計画を比較することが、なぜ重要か
住宅会社によって、提案する資金計画の内容は大きく異なる。同じ4,000万円の家でも、会社によってローンの組み方、諸費用の見積もり方、補助金の活用提案が違う。
私が設計士として複数のHMや工務店の提案を見てきた経験から言うと、「資金計画が丁寧な会社は、設計も丁寧な傾向がある」。逆に、月々の返済額だけをアピールして総支払い額を示さない会社は要注意だ。
だからこそ、資金計画の段階で複数社の提案を比較することをすすめたい。1社だけの提案では「この数字が妥当かどうか」を判断する軸がない。2〜3社並べてみて初めて、違いが見えてくる。
金利タイプの選択より先に「どの会社でいくら借りるか」の設計が重要です。建築士として、複数の住宅会社から資金計画・間取り・見積りを同時に取り寄せ、比較することを強くおすすめしています。タウンライフ家づくりなら、入力数分・無料で複数社の提案を一括請求できます。
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まとめ:変動金利1%超え時代の住宅ローン選び
2026年9月現在、住宅ローンの変動金利は年1.2%台。低金利時代は終わり、「金利のある世界」が続いている。
それでも「変動か固定か」の答えは人それぞれだ。重要なのは、どちらを選んでも「金利が上がっても返せる借入額」に設定すること。そして、その判断をするためにこそ、複数社の資金計画を比較することが欠かせない。
家づくりは金利選びより先に、「暮らしの設計」から始まる。月々の返済額だけを見て借りすぎることが、後悔の一番の原因だと、設計の現場から感じている。
変動か固定かを決める前に、「どの会社でどんな資金計画を提案してもらえるか」を複数社で比べてみてください。一級建築士として、早い段階で複数社の提案を比べることが、後悔しない家づくりの第一歩だと考えています。
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住宅ローン選びのよくある質問(FAQ)
Q. 変動金利と固定金利、2026年はどちらがお得ですか?
現時点では変動金利のほうが金利水準は低いですが、「お得かどうか」は今後の金利動向次第です。返済シミュレーションを複数パターンで行い、金利が上昇しても許容できる借入額に設定したうえで選ぶことが重要です。
Q. 変動金利を選んだ場合、いつ返済額が上がりますか?
変動金利は通常「5年ルール」と「125%ルール」が適用されるため、急激な返済額増加は抑制されます。ただし金利が上昇し続けると未払い利息が発生するリスクがあります。半年ごとに適用金利が見直される点も把握しておきましょう。
Q. フラット35(全期間固定)を選ぶメリットはありますか?
返済額が全期間変わらないため、将来の生活設計が立てやすいのが最大のメリットです。現在の金利水準(3.46%前後)は高いですが、今後金利がさらに上がり続ける場合は結果的に有利になることもあります。教育費や老後資金との兼ね合いを考えた方に向いています。
Q. 住宅ローンの「繰り上げ返済」はいつするのが効果的ですか?
繰り上げ返済は返済開始から早い時期ほど利息軽減効果が大きいです。変動金利を選んでいる場合、手元に流動性資産を持ちつつ、まとまった額ができたタイミングで期間短縮型の繰り上げ返済を行うと有効です。
Q. 資金計画を複数社で比較するには、どうすればよいですか?
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