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共働き夫婦の注文住宅|「二人の収入で考える」と後悔する、お金の落とし穴

Familyのおかね
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SHEET — 共働き夫婦の注文住宅・資金計画の要点S = 1:お金の落とし穴 / kobayan

結論:共働き夫婦が住宅ローンを組むとき、「二人の収入を足して予算を決める」と、産休・育休・転職などで計画が崩れやすい。建築士が勧めるのは、「1馬力で返せる額+αの設計」だ。

  • 共働き世帯の住宅ローン破綻は「収入減」ではなく「想定外の収入変動」が原因になることが多い
  • 産休・育休中の手取り減少、時短勤務による収入低下を織り込んで試算していないケースが目立つ
  • 安全な設計は「一方の収入だけで返済できる額」を基準に、もう一方の収入は繰り上げ返済・生活費に充てる
  • 複数のハウスメーカー・工務店から資金計画書を取り寄せ、収入パターン別のシミュレーションを比較すると判断しやすい

共働きで家を建てようとしている夫婦から、こんな相談をよく受ける。

「世帯収入は1,100万円あるので、予算は4,500万円くらいと考えています」

数字だけ見れば、無理のない計算に見える。でも、この一言には見えない前提がいくつも含まれていて、それを整理せずに進むと、数年後に後悔することになる。

私は一級建築士として150棟以上の住宅設計に関わってきた。その経験から言えば、共働き世帯の資金計画には「普通の計算では見えない落とし穴」がある。今日はそれを、できるだけ静かに、でも正直に話したい。

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なぜ「共働きだから大丈夫」は危ないのか

住宅ローンの審査は「今の収入」で通る。でも住宅ローンは、35年間払い続けるものだ。この35年の間に、二人の収入が変わらないと思っている人は、さすがにいないだろう。

問題は、「いつ、どのくらい変わるか」を具体的にイメージしていないことにある。

子どもが生まれたとき、産休・育休中の手取りは一般的に給与の50〜67%程度になる(雇用保険の育児休業給付金の場合)。時短勤務に切り替えれば、さらに減る。これは一時的な話ではなく、子どもが幼稚園・保育園に入るまでの数年間、続くことがある。

「でも、育休中は保育料もかからないし…」と思うかもしれない。たしかにそうだが、生活費は以前と同じかむしろ増える。子どもが生まれれば、消耗品・医療費・教育費の先払いなど、見えないコストが積み上がっていく。

📐 建築士メモ 実態
  • 育児休業給付金の支給期間:子が1歳(延長で最大2歳)になるまで
  • 時短勤務の期間:子が3歳になるまでが多い(会社による)
  • 共働きでも「手取り2割減」が数年間続くケースは珍しくない
  • 転職・独立・親の介護などによる収入変動も長期では発生しうる
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建築士が見てきた、共働き世帯のお金の失敗パターン3つ

相談ベースで話を聞いてきた経験から、よく見られるパターンを整理してみた。

①「今の収入」で限界まで借りた

世帯年収1,000万円で5,000万円近くのローンを組んだ夫婦が、妻の育休後に時短勤務になったことで月々の返済が重くなった。繰り上げ返済の余力がなくなり、貯金が底をついてきたという。

「銀行の審査が通ったから大丈夫だと思った」という言葉が印象に残っている。審査はあくまで「今の属性」で通る。35年後を保証してくれるわけではない。

②子どもの計画を「たぶん1人」で見積もった

家を建てる時点では「子どもは1人かな」と思っていたのに、数年後に2人目が生まれた。育休が重なり、固定費が二重になった。住宅ローンは変わらず、でも手取りは大幅に減った。

これは失敗でも間違いでもない。でも、「最悪のケース」を計算に入れていなかったことで、精神的な余裕がなくなった。

③オプションを「今の貯金」で支払った

建物本体の予算はローンで、床材のグレードアップや外構工事を「手持ち資金」で支払ってしまった。その後、産休に入ったとき緊急の生活費クッションが薄くなっていた。

家を建てるとき、人は「今できること」をすべてやりたくなる。それ自体は悪くない。でも、貯金は「使い切るためのもの」ではなく、「転ばないためのもの」でもある。

共働き夫婦こそ、複数社の資金計画を比べてほしい PR

一社の試算だけでは「育休中の手取り減少」や「時短勤務シナリオ」を詳しくシミュレーションしてもらえないことがある。タウンライフ家づくりでは複数のハウスメーカー・工務店に無料で資金計画書と間取り案を依頼でき、それぞれの返済シナリオを並べて比較できる。建築士として、この「比較」のステップを省略してほしくない。

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安全な資金計画の立て方|建築士が提案する「1.5馬力設計」

私が相談を受けたときに勧めているのは、「1馬力で返せる額」を基準に置くことだ。

具体的には、夫婦のうち収入が高い方の年収だけで返済できる金額を住宅ローンの上限にする。もう一方の収入は、繰り上げ返済・教育費の積み立て・万一のときの生活費に充てる。

「それだと予算が全然足りない」と感じるかもしれない。でも、その感覚こそが正確なリスク認識だと思っている。

家に使えるお金が増えることよりも、「どんな収入変動があっても家を守れる状態」の方が、長い目で見たときの豊かさにつながる。

📐 1.5馬力設計の考え方
  • 住宅ローン返済:一方の年収のみで無理なく返せる額(年収の25〜28%以内の年間返済額が目安)
  • もう一方の収入:繰り上げ返済 / 教育費積み立て / 生活費バッファ として使う
  • 育休・時短時のシミュレーション:「給付金のみになった場合の手取り」で家計を再計算しておく
  • オプション・外構:手持ちから支出するなら「緊急資金3〜6か月分」を残した上で計上する

「1.5馬力」という言葉は、「2馬力前提で走らない」という意味でもある。二人の収入のうち、0.5馬力分は「余裕」として残しておく。その余裕が、予想外のことが起きたときに家族を守る。

共働き家庭の家づくり|こんな進め方が合っている・合っていない

◎ こういう進め方が合っている
  • 「一方の収入だけで返済シミュレーション」を先にやっておく
  • 育休・時短を想定した「収入変動シナリオ」を複数用意する
  • 外構・オプションは「貯金を使いきらない範囲」でグレードアップする
  • 複数社から資金計画書をもらい、返済額の根拠を比較する
  • 「家を小さくする選択肢」も最後まで残しておく
△ こういう進め方は要注意
  • 「今の世帯収入」だけで上限予算を決める
  • 「子どもは1人の予定」を前提に固定費を組む
  • 建物のオプションに手持ち資金のほとんどを使う
  • 一社の担当者の試算だけで判断する
  • 「銀行の審査が通ったから大丈夫」と安心する

まとめ|共働き夫婦の家づくりは「引き算」から始める

共働きでいい家を建てること自体は、何も問題ない。二人で協力して未来をつくることは、すごくいいことだと思う。

ただ、「二人の収入を足して予算を考える」という最初の一手には、思った以上に大きなリスクが隠れている。

一方の収入が変わったとき、家を守れるか。その問いに「はい」と言える設計になっているか。それが、建築士として私が最初に確認することだ。

「余裕を持って建てた」と言える家は、年月が経つほど正解に見えてくる。焦らず、引き算から始めてほしい。

資金計画の「比較」だけは、省略しないでほしい PR

共働き夫婦の資金計画で最もリスクが高いのは、「一社の試算だけで決断すること」だと思っている。タウンライフ家づくりを使えば、複数のハウスメーカー・工務店が「あなたの条件」に合わせた資金計画書・間取りプランを無料で作成してくれる。収入変動のシナリオを相談しながら比較できるため、一社だけでは気づけなかった選択肢が見えてくることがある。

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共働き夫婦の住宅ローン・よくある質問(FAQ)

Q. 共働き夫婦の住宅ローンはペアローンと収入合算のどちらがいいですか?

どちらにも長所と短所があります。ペアローンは二人がそれぞれ主債務者になるため控除を二重に受けられますが、どちらかが返済できなくなったときのリスクも二重になります。収入合算は一人が主、もう一人が連帯保証人になる形で、シンプルな管理ができる分、収入変動時のリスク管理が重要です。どちらを選ぶにしても「一方の収入が半減したときのシミュレーション」を事前にしておくことが大切です。

Q. 育休中の住宅ローン返済が不安です。どう備えればいいですか?

育休取得前に「育児休業給付金だけになった場合の手取り額」を具体的に計算し、その額でも返済・生活費・保険料などを賄えるか確認しておくことが第一歩です。余裕がなければ、繰り上げ返済を先に進めてローン残高を減らしておく、または建物予算を下げて月々の返済額を抑えることを検討してください。

Q. 世帯収入が高いのに、なぜ住宅ローンが苦しくなることがあるのですか?

住宅ローンは「今の収入」で組みますが、生活は「これからの収入」で維持します。子育て・転職・介護など、収入が変化するイベントは35年の間に必ず起きます。「今は余裕がある」という感覚のまま上限いっぱいに借りると、わずかな収入変動で家計が苦しくなります。余裕は「あっても困らないもの」として設計に組み込むのがポイントです。

Q. 住宅ローンの「返済比率」の目安はどのくらいですか?

一般的には年収の25〜30%以内の年間返済額が安全とされますが、共働き世帯の場合は「一方の年収の25%以内」を目安にすることをお勧めします。たとえば夫の年収600万円なら、年間返済額は150万円以内(月12.5万円以内)を目指すイメージです。もう一方の収入はバッファとして残す設計が、長期的に安定しやすいです。

Q. ハウスメーカー選びで共働き夫婦が重視すべきことはありますか?

資金計画の丁寧さと、「収入変動シナリオ」を一緒に考えてくれる担当者かどうかが重要です。一社だけ話を聞いて決めると比較軸が持てないため、複数社から資金計画書と間取りプランをもらい、それぞれの提案内容・返済額・対応の丁寧さを比べることをお勧めします。

※本記事は情報提供が目的で、特定の金融商品や住宅ローンの契約を勧めるものではありません。資金計画や住宅ローンの判断はファイナンシャルプランナーや金融機関の担当者にもご相談ください。

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この記事を書いた人|メガネ建築士(一級建築士・ハウスメーカー設計士/150棟以上の住宅設計)
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