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収納の通風と照明の正解は?|カビと暗さを防ぐ、”見えない環境”の設計

実施設計の教科書#67 収納の通風と照明の正解は?― カビ・暗さを防ぐ設計 いえのキホン
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実施設計の教科書 #67

寸法(mm)と人の動きから、間取りの「ちょうどいい」を決める。一級建築士の視点で、実施設計の考え方をまとめたシリーズです。

SHEET — 収納の通風と照明の要点S = 1:実施設計の教科書 67 / kobayan

結論:収納は、空気を動かし、しっかり照らすことで、カビと暗さを防げます。特に、外壁に面した収納と、北側の収納は注意が必要です。

  • 空気が動かない収納は、湿気がこもり、カビや結露が起きやすい
  • 換気口・ガラリ・扉の下のすき間で、空気の通り道をつくる
  • 直射日光は、服や紙を色あせさせる
  • 人感センサーの照明なら、手がふさがっていても明るくなる

収納は、「見えない環境」で失敗する

収納を開けたら、服にカビが生えていた、押入れの奥が結露していた、という話は少なくありません。収納は扉で閉じられていて、空気が動きにくく、湿気がこもりやすい場所だからです。

通風の基本

  • 換気口やガラリ:扉や壁に通気の開口をつくる
  • 扉の下のすき間:空気の通り道になる
  • 家全体の換気:24時間換気で、収納のまわりの空気も入れ替える(性能設計の教科書 #08)
  • ときどき扉を開ける:晴れた日に空気を入れ替える

湿気がこもりやすい場所

場所起きやすいこと対策
外壁に面した収納冬に壁が冷えて結露する壁の断熱、壁から少し離して物を置く
北側の収納日が当たらず、温度が低い換気、除湿
押入れの下段床からの湿気すのこ、収納ケースで床から浮かせる
水回りの近くの収納湿気が多い換気扇、通気の開口
窓のない納戸空気が動かない換気扇、扉にガラリ

直射日光はNG

収納に窓があると、明るく、換気もしやすくなります。でも、直射日光が当たると、服や本、紙の書類が色あせたり、傷んだりします。収納の窓は、北側や、日差しを遮れる位置にするのがおすすめです。

照明の考え方

収納の中が暗いと、奥の物が見えず、服の色も見分けにくくなります。

  • 人感センサー付きの照明:物を抱えていても、入るだけで明るくなる
  • 扉と連動する照明:開けると点灯する
  • スイッチの位置:入口の外、または入ってすぐの位置に

ダウンライトの注意点

ウォークインクローゼットや納戸の天井の中央にダウンライトを1つだけ付けると、棚の前に立った自分の影で、棚の中が暗くなることがあります。照明は、棚の前の天井や、通路の両側を照らせる位置にしましょう。

収納の環境をよくする5つのコツ

  1. 通気の開口をつくる:換気口、ガラリ、扉の下のすき間
  2. 外壁側の収納は断熱と離して置く
  3. 床から浮かせて置く:すのこ、キャスター付きケース
  4. 直射日光を避ける
  5. 人感センサーの照明を付ける
建築士のメモ

収納の打ち合わせでは、広さや棚の数に目が行きがちですが、住んでから困るのは、湿気とカビ、暗さです。特に、外壁に面した押入れやクローゼットは、冬に結露しやすい場所です。通気の開口と照明の位置を、設計の段階で一緒に決めておきましょう。

わかっていること、いないこと

テーマわかっていること注意点
空気の動きと湿気空気が動かない場所は湿気がこもり、カビが発生しやすい室内の湿度や季節によって大きく変わる
外壁と結露冬に外壁側の壁が冷えると、収納内で結露しやすい断熱性能が高いほど起きにくい
直射日光と色あせ紫外線は、布や紙を色あせさせる窓ガラスの種類で影響は変わる

収納の環境を確かめる5つの質問

  • □ 収納に、空気の通り道があるか
  • □ 外壁に面した収納の、結露対策を考えたか
  • □ 物を床から浮かせて置けるか
  • □ 収納に、直射日光が当たらないか
  • □ 収納の中に、照明があるか

収納の通風と照明のよくある質問(FAQ)

Q. 除湿剤を置けば十分ですか?

除湿剤は補助的な対策です。空気の通り道をつくり、ときどき扉を開けて換気することと組み合わせましょう。

Q. 収納に窓をつけたほうがいいですか?

換気と明るさにはよいですが、直射日光で物が傷むこともあります。北側の小さな窓や、換気扇で対応する方法もあります。

Q. クローゼットの扉は、ルーバー扉のほうがいいですか?

ルーバー扉は空気が通りやすく、湿気対策に向いています。ほこりが入りやすいので、こまめな掃除が必要です。

まとめ|収納は、空気と光で守る

  • 空気が動かない収納は、カビや結露が起きやすい
  • 換気口・ガラリ・扉の下のすき間で空気を動かす
  • 外壁側や北側の収納は、特に注意
  • 人感センサーの照明で、暗さと手間を減らす

収納は、物をしまうだけの場所ではなく、しまった物を守る場所です。空気と光の通り道を、設計の段階で用意してあげてください。

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