👬『タッチ』に学ぶ、双子と“気配のある距離”の間取りとは?【建築 × アニメで暮らしを考えるシリーズ #6】

建築とアニメ

野球部のエースをめざす天才・和也。
ぼんやりしてるようで心に情熱を秘める達也。
そして、となりに住む浅倉南。

──名作アニメ『タッチ』には、家族・双子・近所のつながりを描いた名場面がいくつもあります。

「あいつの夢は、オレの夢だった。」
上杉達也

この言葉が象徴するように、彼らの関係性は、
**近くにいながらも少しずつズレていく“距離感”**にこそ魅力があるのです。今回はそんな『タッチ』の世界から、
🏠“気配が届く間取り”と“個を尊重する空間”について建築士が読み解きます。

🛏️1. 「同じ部屋でも、別の人生」──双子の空間の使い分け

達也と和也は、同じ部屋・同じ家で育ったけれど、
過ごし方も性格もまるで違います。

👬勉強机は2台、ベッドも2つ、左右対称の構成
🧢和也は整理整頓タイプ、達也はぐでぐで
📚本棚の使い方や貼られたポスターも違う

👓メガネ建築士メモ:
兄弟・双子の部屋は、“同じ中にある違い”をどう設計するかがポイント。
収納・照明・机まわりは個別に、でも空間は分かち合う。それが最適解です。

🧱2. “気配が伝わる”家は、家族のつながりを保つ

作中でしばしば描かれるのが、
階段越し・廊下越しに交わされるセリフ

🚪扉を閉めても、廊下から声が届く
🍽️リビングから階段へ呼びかける日常
📻テレビの音が響き、部屋に“誰かがいる”感覚

👓メガネ建築士メモ:
完全に仕切るのではなく、「少し音と空気が抜ける」くらいのつながりが、家族の関係性をゆるやかに保ちます。
スキップフロアや室内窓などがまさにその工夫。

🌿3. 南ちゃんの家との“隣の距離感”が生むドラマ

南ちゃんと上杉家は、お隣さん
でもその境界はあいまいで、頻繁に行き来する関係です。

🏃‍♀️庭を通って塀をまたぐ
🍵縁側で立ち話、ちょっとしたお茶時間
🧒「呼ばれなくても行く」距離感の近さ

👓メガネ建築士メモ:
垣根はあるけど閉じすぎない。
今でいう「セミクローズ外構」や「中庭共有型」のような工夫が、“誰かと自然につながる空間”を生みます。

📺4. 記憶と感情が“空間にしみこむ”家

和也を失った後も、
達也は同じ道を歩き、同じ部屋で時間を重ねていく。

「「あいつがいた風景を、オレがこれからも守っていく。」
上杉達也

この静かな決意は、空間が記憶の容れ物になることを教えてくれます。

🖼️机に残された文字、壁のポスター
🎵聞き慣れた音楽、カーテンの揺れ
🌅朝日が差す角度まで、思い出と結びつく

👓メガネ建築士メモ:
家とは「人生のアルバム」。
建材の風合いや家具の定位置など、“時間の蓄積が残る家”を意識した設計が大切です。

⚖️5. 達也と和也、“性格と間取り”の違いがもたらすもの

🧢和也:きっちり者。整理整頓された部屋=頭の中がクリア
😴達也:のびのびタイプ。雑然とした空間=発想と感情の自由さ

ふたりの部屋は同じ構成でも、性格と使い方の違いがハッキリと出ています。

👓メガネ建築士メモ
兄弟でも、部屋の「使い方」は設計できない。
だからこそ、「余白を残した設計」が重要。
空間に“育てる余地”があることが、家族にとっての伸びしろになります。

✅まとめ|『タッチ』に学ぶ、気配と尊重のある家づくり

👥 関係性🏠 間取りの工夫
双子の個性を尊重ベッド・収納・照明の“左右独立”配置
家族の声が届くスキップフロア・室内窓・廊下設計
ご近所との自然なつながりセミクローズ外構・縁側・中庭
時間と記憶が残る木の素材感・定位置設計・変化への許容

🎬しめのひとこと

「気づかないふりをしていても、気配はちゃんと感じている」──
そんな距離感が、人と人との絆をつないでくれる。
家もまた、壁や扉の向こうに“気配が伝わる間取り”があってこそ、
静かなつながりを守ってくれるのだと思います。

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